皆様こんにちは。毎日本当に暑いですね。


こんなに暑いと子供たちも外に出にくくなったり、涼を求める
過ごし方がしたくなると思いますが、今日はそんな日に家で簡単に
できるあそびと音楽、そしてちょっと悲しいストーリーをお送りし
ます。


今回のレッスンでは子供たちだけでなく大人も右脳を刺激し、ひと
とき歌の示す意図やメロディを感じてみてください。


そして今日お届けする曲が「しゃぼんだま」です。みなさんよくご存じ
ですね。それではまず歌ってみましょう。






♪しゃぼんだま     野口雨情作詞・中山晋平作曲

1、しゃぼん玉とんだ 屋根までとんだ
屋根までとんで  こわれて消えた

2、しゃぼん玉きえた 飛ばずに消えた
うまれてすぐに  こわれて消えた

※かぜかぜ吹くな しゃぼん玉とばそ



歌い方として※印を1番の後に歌う場合もあります。
本来はこの歌い方のようですが、自由に楽しく歌って
みましょう。


さあそれでは次に以下の事をレッスンしてみましょう。


1、歌詞を考えてみましょう。
1番の歌詞の意味はわかりますね。小さなお子様の場合は、
簡単な意味でも、ご両親からちゃんと説明してあげましょう。


続いて2番の意味です。1番にもありますが、しゃぼん
だまきえたの「きえた」とはどういうことでしょうか?


そうですね壊れたのですね。
「飛ばずに消えた、うまれてすぐに こわれて消えた」
これもよくわかるようにお子様に、消えたは壊れた事
だという事を説明してあげましょう。


「飛ばずに」ということは、フーとしゃぼんだまを吹いて、
それが玉にはなったけれど飛ぶ前にすぐに壊れた、または
消えたということですね。


それではまずお子様と一緒に、この歌詞の内容を実際に
しゃぼんだまでやってみましょう。


作り方は家庭用食器洗剤などを適量、水の入ったコップに入れ、
ストローで吹くだけですね。作り方は何でもいいです。
まずはいっぱいしゃぼんだまを作って吹いて、それを楽しんで
みてください。


そして屋根まで飛ばしてみてください。できるかな?!
しかしくれぐれもしゃぼんだま液をお子様が飲まないよう、
気をつけてあげてください。こちらは関知できません。


さて今度は2番の歌詞の内容を感じながらやってみましょう。
しゃぼんだまを吹いて、すぐ消えたり壊れたりしたものがあっ
たら、「2番の歌詞(うまれてすぐに  こわれて消えた)は
この様子の事だよ」と教えてあげてください。


お子様がしゃぼんだまを吹いて遊んでいる時、お母さま、お父
さまは横で、しゃぼんだまの歌を歌ってあげましょう。


その時大きな声でなくてよいので、ゆっくりやさしく歌って
あげてください。ゆっくりやさしく、子守唄のようにです。


何気ないそんな時間が子供のやさしい心を作ります。これは
とても大事な時間です。現代人はファーストフード、時間短縮
などで何でも「すぐに、早く」を要求されます。これがストレ
スのもとです。


子供の時ぐらいゆったり、のんびりの時間も、意識して持た
せてあげましょう。特に幼稚園や学校に行かない夏休みは
良いチャンスです。後少しの夏休みにやってみてください。


お子様がしゃぼんだまで遊んでいる横で、わずかな時間、
親も歌を歌いながらゆったり過ごす、ほんの5分や10分の
時間です。いかがでしょうか。こんな時間が親にも子にも
とても大事な、ほっとする時間になるのです。


そしてそこに音楽があると、余計に右脳を刺激し、情緒を
育て安定させます。


お金ではなく「一緒に過ごす時間」が子供の心を育てます。
だから物をいくら買い与えても、子供は「もっともっと」と
なるばかりで、良い影響を与えるとは私は思いません。


それより高価なものは買い与えなくても、「○○の歌をいつもお母
さんと歌った」とか、「お母さんとしゃぼんだまを吹きながらこの
歌をうたった」という「思い出」を作ってあげた方が、子供の成長
や、やさしい心を育てるためには何倍も良いことだと思います。


「思い出」を創る時、そこに音楽があるとその曲を聴くだけで
思い出が瞬時によみがえります。これが心の栄養となるのです。
特にこの歌を作詞した日本の代表的な作詞家、野口雨情はこの歌に
こんな思いを託しています。


雨情がこの歌を創ったきかっけは、生まれたばかりの我が子を
亡くしたという事実があったからなのです。だからこの歌詞を
もう1度よくご覧ください。


1、しゃぼん玉とんだ 屋根までとんだ
屋根までとんで  こわれて消えた


これはきっとしゃぼんだまが「我が子」で、
「しゃぼん玉とんだ 屋根までとんだ」は、
やっとうまれた。待ってたよ!という感じでしょうか。
ところが、

「屋根までとんで  こわれて消えた」は
生まれたけれど、我が子はすぐに亡くなってしまった。
何ということだろう…。


続いて2番です。
2、しゃぼん玉きえた 飛ばずに消えた
うまれてすぐに  こわれて消えた


やはり生まれたけれど、大きくならないで
または人生をおくらずに亡くなってしまった。
生まれてすぐに亡くなってしまった。


そして最後が重要です。
「かぜかぜ吹くな しゃぼん玉とばそ」

これはもう生まれてくる子に災難や悪いことは
起らせないで、という願いと、もう1つ、
どうぞ天国に安らかになんの邪魔もなく、うまく
行けますように、という思いが入っているのだと
思います。


一部は私の解釈も入っていますが、日本の童謡には
こんな親の想いの入った歌がたくさんあります。
昔はそれだけ子供が育ちにくかったのでしょう。


医療やお薬が今のように進んでいませんし、病院にも
たやすく行けなかった時代だったからです。


この歌以外に童謡「さっちゃん」もそうです。3番の
さっちゃんがね、遠くへ行っちゃうってほんとかな。
だけどちっちゃいから、僕の事忘れてしまうかな。
さみしいな、さっちゃん。


歌や音楽には人間の「想い」が入っています。ただ単に
メロディと歌詞を並べたのではなく、その奥に隠された
思いも味わって、どうぞご両親はそれをうまくお子様に
伝えてあげましょう。もちろんお子様の年齢や成長に
よる理解度に合わせてお願いします。


このメルマガをお読み下さる皆様のお子様は、元気で
ご両親に笑顔を見せて下さると思います。どうぞ大切に
してあげてくださいね。そしてもう1度この歌を親子で
歌って味わってみてください。