皆様こんにちは。
ブルグミュラーネットレッスン「牧歌」の
最終回です。
今日も楽しくレッスンしましょう!
♪牧歌
今までのレッスンは、イメージの創り方の
ヒントになったでしょうか。
今回が初めての方は、下記ガイダンスからご覧ください
・ガイダンス
・牧歌 1回目
・牧歌 2回目
前回を少し復習すると、楽譜の6小節目から18小節目
までをレッスンしました。
ポイントとして楽譜に書いてある事以外に、
生徒さん達に以下のような質問をすることを、
アドバイスしました。
この曲から
1、何が風景(絵)が見える?
2、何を感じる?
3、どんな音が聞こえる?
4、風は吹いている?
上記の1~3は今日のレッスンでも使え、曲によらず
楽譜に書かれていない風景をイメージするのに、
効果的な質問です。
そして今日は牧歌の最終回で、19小節目から最後まで
です。
ABAのAの再現部の部分です。
また私個人のイメージですが書いてみます。
主人公ハンスが羊たちを連れて、丘を目指して
歩いています。
①やがて丘の頂上が

②見えてきました。空は高く草が心地よい風に

③やさしく揺れています。さあもう一息頑張って。

④着きました!丘の頂上です。

⑤美しい景色の中で羊たちは美味しそうな

と、こんな具合です。本当は音を聞きながら
レッスンしたいところですが、④の
「丘の頂上に着いた」という所は、
レ‐ドミソ、ソレシの後の「ソ」のところで
「着いた~」という感じを出して弾きます。
イメージをつける意味は、音のニュワンス、
フレージングのニュワンスをつかみ、そこに
自分のイメージを入れる事で音楽が膨らみ、
ただ音を追うだけの練習ではなくなる事です。
また自分のイメージ(想像)も入るので、
練習やレッスンをしていても、見えているものが
違います。最初のレッスンに書きましたが、見て
いるものは、音楽の中の世界です。
どんなふうに弾きたいか、どんな音がほしいか、
が生まれてきます。同時に想像力も非常に
身に付きます。想像力は非常に大切です。
そしてここからが大切です。
このレッスンはこれで終わりではありません。
小さな生徒さんの場合はここで終わっても
良いですが、イメージができる年齢の生徒さんなら、
ここから「本人のイメージ」をつけて行きます。
そして次の週から、「自分のイメージ」で弾いて
来てもらいます。これは私のイメージで完成させた、
次の週の宿題になります。
私のイメージと、本人のイメージの弾き分けを
するためです。同じではいけません。ただイメージが
重なる事はありますので、その場合はOKです。
これを繰り返して行くたびに、
・音楽を創る
・音を創る
という作業がうまくなってきます。
この事に気づいたきっかけがありました。
大分昔、私が学生の頃、リストの
パガニーニ大練習曲集の中の「狩り」という
曲を練習したことがありました。
曲はABACAのロンド形式で、場面が変わるため
流れにくく、「ちっとも面白くない曲」と当時は思い
ました。
その時はこの曲の意図が分からないので、
アンドラーシュ・シフのレコードを買い、
聞きましたが、結局分かりません。
ところが何年も経って、娘がその曲を練習する
事になりました。シフのレコードが古かった
ため、「アンドレ・ワッツ」の「狩り」のCDを買いま
した。
それを聴いた時、電気が走るほど面白かった
のです!その一部をお話しすると、
この曲にはグリッサンドが4回出てきます。
シフは普通に4回ともグリッサンドしていましたが、
ワッツは初めの3回は普通、そして最後だけ、もの
すごく大きな音でグリッサンドをしていました。
そしてその時分かったのです!
「これは(グリッサンドは)矢が飛んでいく音だったんだ!」
「最後のグリッサンドは湖の鳥が全部飛び立つ音だ!!」
ワッツに聞いたわけではありませんが、明らかに
最初の3つのグリッサンドの弾き方と、4つ目のグリッサンドの
弾き方が違うのです。リストは何もそんなことは楽譜に指示して
いません(私が持っている2冊の楽譜では)でした。
つまりワッツの考え=イメージで演奏されていたのです。
音楽を聴いただけで、私は理解ができたのです。
学生の頃あんなに練習しても、曲の中身が理解できなか
ったのに。。先生からも「イメージしなさい」と指導された
記憶はありませんでした。
最後のコーダに当たるところも、ワッツはめちゃくちゃ速い
弾き方でした。これも楽譜には書いていません。
この曲についてはまた別で解説したいです。
とても面白いので。
私の持っているCDより控えめですが、同じワッツの
ユーチューブがあったので掲載しておきます。
「狩り」は1曲目です。
♪狩り
話をもどしますが、牧歌では丘に向かって歩いて行く風景、
途中で子羊がいなくなったハプニング、やっと頂上に着いた
という実感、などが音楽に含まれていると私は思います。
先生のせいにするわけではありませんが、私は小さい頃
この曲を弾いた時は、音の間違え、リズムの間違えだけで
レッスンが終わっていたように思います。
下手をすると強弱もままならない感じでした。ひたすら
「間違えないように」「指使いを正しく」「速く弾く」と
いうのが主流だったと思います。
それも大切ですが、ハンスの気持ちや、羊たちの様子、
丘の頂上に着いた充実感などをイメージしながら弾け
れば、演奏の仕方も変わりますし、何より私の小さかっ
た頃のような「本人の意向やイメージ」が、何も入って
いない練習は、つまらない演奏だったと思います。
皆様も「自分の演奏」を追及してみませんか?
次回は「貴婦人の乗馬」です!
ブルグミュラーネットレッスン「牧歌」の
最終回です。
今日も楽しくレッスンしましょう!
♪牧歌
今までのレッスンは、イメージの創り方の
ヒントになったでしょうか。
今回が初めての方は、下記ガイダンスからご覧ください
・ガイダンス
・牧歌 1回目
・牧歌 2回目
前回を少し復習すると、楽譜の6小節目から18小節目
までをレッスンしました。
ポイントとして楽譜に書いてある事以外に、
生徒さん達に以下のような質問をすることを、
アドバイスしました。
この曲から
1、何が風景(絵)が見える?
2、何を感じる?
3、どんな音が聞こえる?
4、風は吹いている?
上記の1~3は今日のレッスンでも使え、曲によらず
楽譜に書かれていない風景をイメージするのに、
効果的な質問です。
そして今日は牧歌の最終回で、19小節目から最後まで
です。
ABAのAの再現部の部分です。
また私個人のイメージですが書いてみます。
主人公ハンスが羊たちを連れて、丘を目指して
歩いています。
①やがて丘の頂上が

②見えてきました。空は高く草が心地よい風に

③やさしく揺れています。さあもう一息頑張って。

④着きました!丘の頂上です。

⑤美しい景色の中で羊たちは美味しそうな

と、こんな具合です。本当は音を聞きながら
レッスンしたいところですが、④の
「丘の頂上に着いた」という所は、
レ‐ドミソ、ソレシの後の「ソ」のところで
「着いた~」という感じを出して弾きます。
イメージをつける意味は、音のニュワンス、
フレージングのニュワンスをつかみ、そこに
自分のイメージを入れる事で音楽が膨らみ、
ただ音を追うだけの練習ではなくなる事です。
また自分のイメージ(想像)も入るので、
練習やレッスンをしていても、見えているものが
違います。最初のレッスンに書きましたが、見て
いるものは、音楽の中の世界です。
どんなふうに弾きたいか、どんな音がほしいか、
が生まれてきます。同時に想像力も非常に
身に付きます。想像力は非常に大切です。
そしてここからが大切です。
このレッスンはこれで終わりではありません。
小さな生徒さんの場合はここで終わっても
良いですが、イメージができる年齢の生徒さんなら、
ここから「本人のイメージ」をつけて行きます。
そして次の週から、「自分のイメージ」で弾いて
来てもらいます。これは私のイメージで完成させた、
次の週の宿題になります。
私のイメージと、本人のイメージの弾き分けを
するためです。同じではいけません。ただイメージが
重なる事はありますので、その場合はOKです。
これを繰り返して行くたびに、
・音楽を創る
・音を創る
という作業がうまくなってきます。
この事に気づいたきっかけがありました。
大分昔、私が学生の頃、リストの
パガニーニ大練習曲集の中の「狩り」という
曲を練習したことがありました。
曲はABACAのロンド形式で、場面が変わるため
流れにくく、「ちっとも面白くない曲」と当時は思い
ました。
その時はこの曲の意図が分からないので、
アンドラーシュ・シフのレコードを買い、
聞きましたが、結局分かりません。
ところが何年も経って、娘がその曲を練習する
事になりました。シフのレコードが古かった
ため、「アンドレ・ワッツ」の「狩り」のCDを買いま
した。
それを聴いた時、電気が走るほど面白かった
のです!その一部をお話しすると、
この曲にはグリッサンドが4回出てきます。
シフは普通に4回ともグリッサンドしていましたが、
ワッツは初めの3回は普通、そして最後だけ、もの
すごく大きな音でグリッサンドをしていました。
そしてその時分かったのです!
「これは(グリッサンドは)矢が飛んでいく音だったんだ!」
「最後のグリッサンドは湖の鳥が全部飛び立つ音だ!!」
ワッツに聞いたわけではありませんが、明らかに
最初の3つのグリッサンドの弾き方と、4つ目のグリッサンドの
弾き方が違うのです。リストは何もそんなことは楽譜に指示して
いません(私が持っている2冊の楽譜では)でした。
つまりワッツの考え=イメージで演奏されていたのです。
音楽を聴いただけで、私は理解ができたのです。
学生の頃あんなに練習しても、曲の中身が理解できなか
ったのに。。先生からも「イメージしなさい」と指導された
記憶はありませんでした。
最後のコーダに当たるところも、ワッツはめちゃくちゃ速い
弾き方でした。これも楽譜には書いていません。
この曲についてはまた別で解説したいです。
とても面白いので。
私の持っているCDより控えめですが、同じワッツの
ユーチューブがあったので掲載しておきます。
「狩り」は1曲目です。
♪狩り
話をもどしますが、牧歌では丘に向かって歩いて行く風景、
途中で子羊がいなくなったハプニング、やっと頂上に着いた
という実感、などが音楽に含まれていると私は思います。
先生のせいにするわけではありませんが、私は小さい頃
この曲を弾いた時は、音の間違え、リズムの間違えだけで
レッスンが終わっていたように思います。
下手をすると強弱もままならない感じでした。ひたすら
「間違えないように」「指使いを正しく」「速く弾く」と
いうのが主流だったと思います。
それも大切ですが、ハンスの気持ちや、羊たちの様子、
丘の頂上に着いた充実感などをイメージしながら弾け
れば、演奏の仕方も変わりますし、何より私の小さかっ
た頃のような「本人の意向やイメージ」が、何も入って
いない練習は、つまらない演奏だったと思います。
皆様も「自分の演奏」を追及してみませんか?
次回は「貴婦人の乗馬」です!