皆様こんにちは。
ブルグミュラーネットレッスン「牧歌」の
2回目です。

今日も楽しくレッスンしましょう!

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まずはレッスンに入る前に、注意事項も含め、
前回の復習も合わせて、第1回をご覧くださいね。


さて前回で曲の背景を以下のようにご説明しました。


約200年前のヨーロッパでは、羊飼いは一般的に子供
たちの 仕事で、各家から毎朝羊や牛を数匹ずつ預かり、
山や丘に 連れて行って放牧させ、1日を過ごして夕方
また各家に羊や 牛をもどす、という作業が羊飼いの
仕事でした。

※牛飼いの仕事や、大人で羊飼いをしている人もあります。


この事から、パストラル=牧歌は羊飼いの少年の歌、
または 羊飼いの様子とみなし、この少年に「ハンス」と
いう名前を つけて、イメージを進めます。


最初は羊たちを家々から集めたハンスが、丘に向かって
羊たちと歩き始めます。


楽譜6小節目からのイメージです。


しばらくはのんびり丘に向かって歩いていく様子です。


①首につけたベルがカランカランと


②なっています。今日は本当に良いお天気です。



③どこからともなく



④草や花の良い香りが漂ってきます。



①から④までは本当にのんびりと、でも前に
前に進んでいく感じや、足ふみの感じ、歩く音
等をイメージして弾きます。

④では「花や草の香り」とイメージしたので、
野の花や草っぽいアロマを使って、イメージ
効果を上げます。

これら以外に生徒さんに
「何が見える?」
「何を感じる?」
「どんな音が聞こえる?」
「風は吹いている?」


など、楽譜の向こう側にある景色を質問し、生徒さんと
イメージしていきます。

いつもそうですが、本当に見ているのは譜面台や
目の前のピアノ、楽譜ですが、私と生徒さんが
見ているのは、美しい牧草地に向かって歩いて
いる、ハンスと羊たちです。

そして私たちもその景色の中にいます。
レッスンしていてもとても気持ち良いです。
狭い防音室の中にいる事を忘れます。

音楽のために楽譜に書かれていない事を、
二人でどんどんイメージしていきます。
楽しい作業です。


そんな中で事件が起きます!


⑤「おや~!子羊が1匹いないぞ~」



15小節目の右手はドのシャープ、左手は
八分休符の後シのフラットのあたりから、
急に「不安なモチーフ」になってきます。
どうしたのでしょう!!

ここでどんな音を出すか、「驚いた音」とは
どんな音かをいろいろ話し合います。

右手のシャープのドの出し方によって、
その場面の雰囲気が変わってきます。

大きく出せば、ハンスの驚き方も大きい。
小さく出せば、ハンスの驚きも「あれ?」
程度です。ここが演奏者の好みや考えと
なってきます。


⑥あたりをよく見渡すと…いましたいました!

子羊は見つかりました!

⑥の初めでもまだ不穏な音楽が続き、
シドレファミドから一気に安心したメロディへと
変って行きます。子羊がいたからです、


ここで大切なことは、先ほども書きましたが、
「ハンスの驚きをどう表現するか」です。


またこの曲で私が表現したいことは、

1、のんびり平和な牧歌の風景
2、ハンスと羊たちのその当時の日常の生活
3、美しい自然


今日の⑥ではちょっとしたハプニングを想定
しましたが、この曲はABAであり、Bでハプニングが
起きる、曲の山場を持ってくるという設定です。


そして次回レッスンしますAは、最初のAと
どう違うか、何を変えるかなどをイメージを通して
考えます。


曲が1曲できるごとに物語が出来上がります。

もちろん、これは人によって違いますし、
同じ人でもその時の気分、この牧歌を春の
想定でイメージするのと、秋の想定でイメージする
のとでは変わってきます。

しかし何種類にも弾き分けられたり、いろんな
パターンで味わえることは、音楽をいろいろな
方向から楽しむことができます。


また「この曲はこうだ」と決めつけるのではなく、
いろいろな見方を通して、人間の柔軟性の成長
にも役立てられます。


心理カウンセラーの学校で、

「相手がたとえ殺人犯でも、カウンセリングする
時は、相手の立場になりその人の気持ちにより
そうのがカウンセラー」と学びました。

これは結果的に非常に柔軟性を養い、この事が
私にとって人と接する事をある意味、楽にさせて
くれました。つまり柔軟性が育ったのです。


ピアノのレッスンを通して、曲をいろいろな方向
からイメージすることは、この牧歌だけに限らず、
どんな曲でも、私が心理カウンセリングで習った、
「どんな人の立場にも立つ」という事と、同じ
柔軟性を養う事に役立つと思います。


柔軟性=想像力(イメージ)です。
いかがでしょうか。