みなさんこんにちは。いよいよ寒くなってきましたね。寒くなると夏の
寝苦しい時期とは違って、ずっと眠りやすくなると思いますが、皆様は
良く眠れているでしょうか?今日は生理的な意味で、脳と眠りについて
お話したいと思います。
大人でも子どもでも「よく眠れない」という人がおられますが、これは脳に
問題がある場合も考えられます。特に子供の場合、生まれたばかりの乳児や
幼児にはまだ大人のような、「睡眠」(レム睡眠やノンレム睡眠)の脳はみら
れないようです。
皆さんもお聞きになったことがあると思いますが、深い眠りが「ノンレム睡眠」
浅い眠りが「レム睡眠」で、人間は寝ている間これを交互に繰り返しています。
そして脳が未発達な幼児のうちは睡眠も未完成で、脳の発達とともに睡眠も発
達します。2歳以上になると、やっと大人のようなレム睡眠・ノンレム睡眠が
現れ始め、ノンレム睡眠単位は初めは40分~60分ですが、2歳から5歳にか
けて60~80分、5歳~10歳にかけて約90分とだんだん長くなり、落ち着きま
す。 大人で90分ごとが一般的です。
幼児期に入ってノンレム睡眠が現れた後にレム睡眠が続く、という睡眠単位が
出来上がると、レム睡眠の割合はどんどん減り、かわりにノンレム睡眠の割
合が増え、夜は熟睡しやすくなるようです。ちょっと難しいですが、これで行
くとレム睡眠の方が幼児期までは多いということですね。
熟睡している幼い子供を起こすのはとても難しく、ゆすっても起きない
で眠っていることってよくありますよね。そんなとき無理に起こすと寝ぼけて
「夜驚症(熟睡時に突然叫び声をあげて起きる)」や「夢中遊行症(夢遊病と
もいう)」を引き起こすこともあるのでどうぞご注意ください。
また深いノンレム睡眠中には、脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌され、
成長ホルモンは代謝を促して、身体の組織で傷んでいるところを治してくれ
る作用や、子供の場合はさらに骨を伸ばし、筋肉を増やす作用があります。
大人にとっても大事な眠りですが、子供にとっては本当に大事な大事な眠りと
いう事です。外出したり、幼稚園や学校から帰ってきたお子様が、あまり眠く
て眠ってしまっているときは、生理的に体が睡眠を求めているので、無理に起
こさないほうが良いと私は思います。
また睡眠中に成長ホルモンの分泌が起こるという現象は、生後3ヵ月齢のころ
から見られるため、赤ちゃんの時はより眠りやすい環境作りが大事です。
今日は「眠り」をテーマにお話しましたが、脳はこうやって眠りを創り、体を
創り、そして脳自身も創っているのだと思います。よく眠って子供のうちはよい
脳を育ててあげたいものですね。
音楽と眠りについて次回に続きをお話しましょう。