おはようございます。
10月最後の日ですね。1年はあ、っという間。
生きている時間も充実して使いたいものです。


さて今週は「子供の心に良い音楽」。


今日はどのように良いかをもっと具体的に
お話します。ちょっとややこしいですが、
とても大切な事なので、よーくご覧ください。


特に楽器の先生方、なぜか成績が上がらないと
お嘆きのお母さまには必見です。


それでは本題です。
ピアノを例にとると、特に初めて弾く曲は、楽譜を
必死で見ながら練習します(=弾きます)。


この時人間は
1、楽譜を見る
2、何が書いてあるか、何の音か脳が認識する
3、指を動かす
4、耳で聞く
5、次々楽譜を見ていく

という事を連鎖して無意識に行っています
これは普通の子供、大人にとって、普通の事です。


ところが障害を勉強すると、このどれか1つが欠けていても
「楽譜を見ながら弾くという事ができない」、という事が
わかります。


欠けるまでいかなくても「苦手」であれば、やはり
「音楽が嫌い」ではないけれど、練習が嫌い、譜読みが
嫌いなるのです。(=勉強が嫌い、苦手)


つまり音楽が嫌い、ピアノが嫌いではなく、

ピアノを弾くための同時進行ができない、またはやりにくい


ために、練習が嫌いになるという事なのです。


私はこれを私流で3Dと呼んでいます。

つまり上記の1~5は
・見る(楽譜を)
・聴く(音を)
・弾く(ピアノを)
に集約されるからです。


この見る、聴く、弾くはそのまま学校の授業に
当たります。

・見る(黒板を)
・聴く(先生のお話を)
・書く(ノートを)

です。


それでは私が1番この効果が強いと感じる
ツェルニーを見てみましょう。





かわいいお嬢ちゃんが弾いていますが、彼女は
楽譜を見ていません。もちろんそれはよく練習して
覚えているからだと思いますが、これが3Dが苦手な
場合、最初からちゃんと見ることができません。


つまり3つ同時に機能を使う事ができない、苦手
なのです。そんなお子様はすぐ下だけを見て
弾くことが多いです。


また違うパターンもあります。楽譜は見ているが、
指が動かない、鍵盤の位置が分からない、音を
間違えても気がつかない、などです。

これらは脳の認識と、見る、聴く、動かすの
連動がうまくできないからなのです。根本的に
これが苦手であれば、いくら練習しても、普通の
練習の場合、限界が来るのです。


昔はこれを「才能」と呼びました。しかしこれは
音楽が好き+3Dが発達していることで、これが
できる子供は勉強も、スポーツもできるはずです。


最近私がよく使う、
ツェルニー やさしい20の練習曲 「30番練習曲集」の前に
という楽譜があります。


この楽譜は、小学校3年生前後の生徒さんに使用しています。
30番より曲の長さが短く、でも100番よりやさしく曲は長めです。
(100番も後ろの方は長いですが)


ツェルニーは教則本として書かれているため、音が長くつながって
いたり、指をたくさん速く動かすなど、弾きにくい要素が含
まれていて、見る、聴く、弾くに集中しなければなりません。


音楽的に良くない、とも言われることもありますが、この
練習は3Dを磨くことにつながり、またそれは人間の知能を
磨くことにつながって行くため、私は大変良いことだと思
います。


脳のこのような働きは、10歳までに決まると言われています。
小さいうちにツェルニー20の練習曲、30番などをやって
おくことはとても良いと思います。


またラジリティなどの、これと同等の楽譜も同じです。


反対にハノンなどは同じパターンなので、楽譜は見なくなり、
名曲などはメロディを覚えやすいので、やはり3Dを駆使する
事は教則本よりは、低下するのではないでしょうか。
もちろん年齢と曲によりますが。



練習するのがいやーーーな練習曲、これにはこんな要素が
あったんですね。音楽は脳を磨きます!



それでは今日も良い1日を!