長続きするNPO法人を設立するには。
NPO法人を立ち上げようとして情報を得ようとすれば、まずはホームページを利用することになるだろう。その際気をつけなければいけないのは、信頼のおける内容のものを見て、正確な知識を得ることである。
設立や運営に関して十分理解していない段階で、スポンサーサイトに出ているようなページを見るのは避けよう。とにかくまず参照するのが所轄庁の案内である。
内閣府
の案内は解説もわかりやすく、手引きや必要な書式なども全部含まれているので、あとは市販のマニュアル本を横に置いてパソコンを使えば書類はできてしまう。地方から内閣府に申請する場合もわざわざ上京することなく、郵送で申請できる。分からないことは所轄庁の担当者に尋ねるとよい。
相談がある場合も「○○センター」とか「△△サポート」などという、公的機関のような 名称をつけているところは顧客獲得が最終目的なので「無料相談」であっても避けるのが賢明である。
「メールのやりとりだけ」でNPO法人を作ることはできない。
NPO法人の設立について予備知識を得ようとホームページをのぞけば、さまざまな情報が溢れている。その多くは正確な内容を記載しているが、中には「メールのやりとりだけで設立」「確実・迅速に手続」というようなフレーズを使って宣伝しているページもある。
しかし、本当にNPO法人という社会貢献を目的として活動する公益の法人が、物を買うように委託代金を払ってメールのやりとりだけで設立できるのであろうか。
都道府県や内閣府のホームページをみると、設立の準備から申請までの手順が書かれている。認証の申請までには設立総会を開いたり、担当窓口の相談をうけたりすることが必要で、それらは決してメールだけでできることではない。しっかりした基盤をもつNPOを作ろうとするのであれば、多くのNPOがそうしているように、宣伝に左右されずじっくり計画をたてて準備することが望ましい。
NPO法人の設立を専門家に委託するときのチェック・ポイント。
NPO法人の設立を行政書士等 に委託する場合は、以下の事項をチェックしてみよう。もちろん、実際に委託する場合でも税金や設立後の手続きなどについて各自十分な理解が必要である。
2 「設立実績○○法人」などと設立数のみを誇示・強調していないか。
3 「設立支援」「設立サポート」など公的機関と混同するような表記をしていないか。
4 複数の団体(関連NPO法人)を混在させ業務区分を曖昧にしていないか。
5 対面での事前の打ち合わせ、相談などを行っているか。
6 設立に必要な設立総会についての記載があるか。
7 主体がはっきりしているか。誰が運営しているのかすぐわかるか。
8 主体は行政書士事務所であるにもかかわらず非営利団体のような看板を掲げていないか。
9 印鑑販売など本業とは違う宣伝をページに入れていないか。
10 高額の着手金を要求、原則キャンセルさせず、解約できても違約金をとるようなことはないか。
よく調べもせず安易に委託して設立すると後が大変!会社にはない義務があるのだ。
NPO法人の設立には登録免許税、印紙代、手数料などがかからない。会社の設立は自分で手続きしてもそれら諸費用だけで30万近くかかる。ところがNPO法人なら代行に委託しても15~25万で全部できてしまう。そこで「メールのやりとりだけ」「迅速・確実」に法人を作ってみたい、と思う人がいても不思議ではない。
ところが、こうして安易なノリでNPO法人を作ってしまうとその後が大変である。この点をきちんと知っている人は少ない。
1 毎年、所轄庁に事業報告書を提出(会社なら不要)
2 毎年、資産の総額変更の登記(会社なら不要)
3 定款を変更する場合、原則として認証の申請が必要(会社なら不要)
4 その他事業や税法上の収益事業を行うときは別会計処理(会社なら一本)
5 役員の交替などの変更は所轄庁に届出(会社なら不要)
6 役員等変更登記の申請(会社と同じ)
もちろん、義務を果たさないと当然罰則がある。自分ではできないからと、その都度代行委託すると年間平均で20万以上ものお金を払わなくてはならなくなる。解散するにもお金がかかるので、よく調べもせずに作ってしまうと、大変面倒なことになる。
「メールのやりとりだけ」「迅速・確実」にNPO法人を作ることの危険性。
これまで、ある設立代行専門業への批判を多く述べてきた。代行自体は悪いことではない。問題は、それらの多くが安易に法人を増やすビジネス代行と化してしまっていることにある。手間と時間をかけずに処理して収益を上げることが目的化しているため、きちんと依頼者の話をきくことなく、書類だけ作って出してしまう。
「メールのやりとりだけで」ときくといかにも依頼者の便宜を考えているようで、実は自分たちの都合しか考えていない。しかもそのような手抜きの作業を「設立支援」とか「設立サポート」などと、あたかも顧客のために骨を折っているかのごとくカモフラージュしている。欺瞞以外の何者でもない。
営利目的で「設立○○センター」「設立サポート○○」などと公的機関を連想させる看板を付与して設立手続きを請け負うこれらの業者の宣伝に惑わされてはならない。
まずは内閣府や都道府県の正確な情報をしっかり調べることである。
まずは内閣府のホームページで正確な情報を確認することだ。
NPO法人を立ち上げようとして情報を得ようとすれば、まずはホームページを利用することになるだろう。その際気をつけなければいけないのは、信頼のおける内容のものを見て、正確な知識を得ることである。
設立や運営に関して十分理解していない段階で、スポンサーサイトに出ているような代行業のページを見てはいけない。とにかくまず参照するのが所轄庁の案内である。
内閣府の案内は解説もわかりやすく、手引きや必要な書式なども全部含まれているので、あとは市販のマニュアル本を横に置いてパソコンを使えば書類はできてしまう。地方から内閣府に申請する場合もわざわざ上京することなく、郵送で申請できる。分からないことは所轄庁の担当者に尋ねるとよい。間違っても代行業者の「無料相談」は利用してはいけない。
まずは内閣府
のページをご覧いただきたい。
ブログで時には厳しく批判することの意味。
このブログでは、主にホームページに書かれている内容を見て虚偽や不適切な表記、説明を指摘し時には厳しい批判をしている。これまで、NPO法人設立手続きにかんするものでこのようにハッキリ主張するものはなかった。
もちろん、特定の組織や人を攻撃・非難するのがこのブログの目的ではない。事実と反する内容、NPOを立ち上げようとする者が見て誤解するようなことを実例を挙げて示し、逆に、客観的に正しい情報を提供している事務所等については正当な評価をしている。
このブログが健全なNPO法人の設立・運営という使命をもっている以上、それを阻害するような内容を指摘し批判することは当然である。誇張。虚偽の内容を示して宣伝し、顧客から利益を得る団体がどのような末路をたどるのかは、昨今の偽装事件等の不祥事をみれば明らかである。
NPOの健全な設立・運営を妨げる一部の代行。
これまでのブログで「メールのやりとりだけで」設立するシステムが次第に明らかにになったと思う。この業者のやり方をみると、効率よく利益を上げる事業としてはよくできたシステムといえる。NPOの何たるかも分からない顧客に対面していちいち説明しアドバイスして書類を作るのは、手間ばかりかかって設立効率が悪いからである。
そこで流れ作業のように作っていくことを思いついた。面倒な顧客は自分のところに来てもらって相談料をもらう。本質を見抜かれないように看板もそれらしく掲げて、「支援」だの「サポート」などという文句を使って、自分たちにお金を払えば簡単に設立できることを宣伝すればいいだけである。
もちろん、このような露骨な効率重視の業務を行っている代行は、全体からみれば一部である。さらに検証を続けたい。
楽をして書類だけ作りたい、だから総会のことに触れないのである。
まず、依頼者が議事録を作成するとすれば、「すべての書類を作成」というのは虚偽の表記となるし、実務上も考えにくい。よって議事録はここが作成するということが推測できる。ではどのような処理をしているのか。
「業務の流れ」には総会のことが全く書かれていない。そのため、これを見た人は総会の議決(設立の意思決定)と議事録の提出に気づかず、特に新規立ち上げの場合など、総会(意思決定の会合)を開かないまま手続きを進めてしまうことになる。
実はこれは、業者にとってありがたいことなのである。実際に総会を開催されると余計に時間がかかるうえ、ひな形に合わない内容の総会をやられると会議と議事録に違いが出ることになり、後で面倒なことになるだからだ。
そこで自分たちが楽をするために、総会の開催には触れずに済ます手抜きの仕組みを作ったのである。このセンターは預かったチェックリストを見て適当に記載したひな形議事録を作るに違いない。依頼者は修正して認印を押して返送。
総会も行わずに書類だけ作って設立したNPO法人にまともな活動ができるはずがない。
設立に必要な総会についての記載を無視するのはなぜか。
さて、もう少し「NPO法人設立の業務の流れ」を見てみよう。NPO法人の設立について多少知っている人なら、アレ?と思うはずである。設立するときに開かなければならない「設立総会」の語が全くかかれていないからである。チェックシートにも総会について記入する欄がない。
通常の設立手続きの流れでは、定款、事業計画書や予算書を作成した後、これらの書類を総会で議決する。まだ法人にはなっていないので厳密には必ずしも「社員」総会である必要はないが、NPOが法人となるには欠かせない意思決定過程である。
にもかかわらず、業者は総会のことに全く触れず「すべての書類を作成して申請する」と書かれている。とすると議事録は誰が作成するのか。さらに検証してみたい。
