古代史研究会研修旅行 ⑤安房神社(安房一宮)と安房神社洞窟遺跡
安房神社は、安房国一之宮で、千葉県館山市にあります。今の安房神社の創建年は717年とされています。
昭和7年(1932)、安房神社の参籠所の改築が、関東大震災の復旧工事として行われました。その付属工事として参籠所裏に井戸を掘った時、地表下1mほどのところで、偶然に口をあけた洞窟があらわれました。全長約11m、高さ2m、幅1.5mの大きさの海食洞窟ですが、現在では再び地表下に埋められています。
洞窟の発見直後に緊急発掘調査が行われ、人骨22体、貝製の腕輪193個、石製の丸玉3個、土器などが出土し、この洞窟が古代人の墓所であることが明らかになりました。
出土した人骨22体のうち、15体には抜歯のあとが認められ、当時の風俗を知る上で、貴重な資料として注目されています。日本では縄文時代中期からみられ、縄文時代晩期には、犬歯を抜く例を含め、いろいろなパターンが全国的にみられます。
なおこの洞窟は調査後埋められたため、見学することはできません。
※船越鉈切神社・海南刀切神社も見学したが割愛。

