先日は熊本まで行って仔ヤギを買ってきました。
生後1ヶ月、やっと乳離れが済んだところです。
ドナドナドーナドオーナー、
一人ぼっちにすると泣きます。
まだメエーと啼けません、人間の赤ん坊と同じ声です。

動物に限らず人間でも奴隷や誘拐の時は深い穴か暗所に閉じ込めると逆らくなくなるといいますが、そんな必要は無い、
非常に従順です。
僕がそばにいると安心してうとうとします。
離れると啼きます。
今朝も朝の5時から僕がいないので啼きまくります。
僕は睡眠不足です。
疲れさせて寝かしつけようと散歩に連れ出すと
いくらでも歩きます。
僕は散歩の疲れと睡眠不足で痩せてしまいそうです。
げっそりとして隣のヤギを見ると
半眼でこくりこくりとしております。
このヤロー夜早く寝ろ、と僕はつぶやきます。

戦前までの日本人と動物の付き合いは
絶対の服従という気持ちはありませんから、
家族の一員です。
牛や馬に命令するということはありません。
あくまで動いてくれるようにお願いするのです。
仏教では肉は食べませんから、墓に入ります。

幕末タウンゼント・ハリスが農家から鶏を買い求めたことがあり、
夜になってその農民が異人さんは肉を食べると聞いてあわてて
来ました、うちのタローは卵をよく産んでくれ大変世話になったから
お金を返すからタローを返してくれ、という話を書いています。

武士だけが馬を調教したのです。
その馬も去勢されておりません。
帝国陸軍の軍馬も去勢されていません。
輜重部隊の方たちも苦労されたことでしょう。

去勢という考えが無いのは、
日本では人も動物も生きとしいけるもの全てが
業の清算をしているとするからでしょうか。
こんな話があります。
武士の娘が老いて病気になった愛犬に布団を着せようと
したら父親からお前はその犬の業の清算の妨げをするのか
と叱られたそうです。

おう、そーいえば坊さんから動物は飼っても心を通わせようと
思ってはいけない、魂が下がると言われたことがありました。

仔ヤギにも名前が付きました。
マナちゃんです。
飼い始めて4日目ですが、もう紐も要りません。
トコトコとどこにでも付いて来ます。
うーん、情が移ってしまう。