届かない支援米と、30キロの優しさ
4月某日、ひだまりと連携している都内の子ども食堂から、緊急の連絡が入りました。「国に申請していたお米が届かない。返答もない。今週末、子どもたちのごはんが足りなくなるかもしれない。」現場で動くスタッフたちは、子どもたちの「おかわりください」に笑って応えながら、実は心の中で「お米、もつかな」と毎日ひやひやしていたそうです。そんな中、あるひとりの男性が名乗りもせず、30キロのお米を即日手配してくださりました。「困っているなら、すぐに届けたい。ただそれだけです」と。彼は、現在は多くの事業を手掛ける実業家。社会的には“富裕層”と呼ばれるかもしれません。けれどこの支援には、見返りも、条件も、名前すら必要ありませんでした。ただ、子どもたちの笑顔のために、できることを即座に行動したのです。数日後、子ども食堂からこんなメッセージが届きました。「あの日のご飯は、どの子もおかわりしていました。」「“今日、いっぱい食べた!”って笑顔で帰る子がいたんです。」「“ありがとうって伝えてね”と、子どもたちが言っていました。」たった30キロの米かもしれません。けれどそこには、“生きる力”と“誰かを想う心”が詰まっていました。これを最初の一歩として、彼は今後、支援活動を学び、現場を知り、自分にできる社会貢献のカタチを模索しようとしています。その歩みを、私たちは心から歓迎し、応援しています。この優しい行動が、未来の子どもたちにとっての“希望の第一章”になりますように。