確か河合隼雄先生の本に書かれていたと思うのですが、例えば子どもが遠足に行った時、「遠足、楽しかった?」って聞く親が多いそうですね。
そりゃ、そうやって聞かれたら、子どもは「うん」と言いますよね。
そしてこの会話は、「そりゃよかったね」で終わってしまいます。
『何が』よかったのか、よくわからない。
他にもありますね。こういうことって。
奥さんが旦那さんに晩御飯の時、「今日のおかず美味しい?」とか…。
こういう時、聞かれたほうはとっても答えにくいんですよね。
さて、話はちょっと変わりますが、カウンセリングの話なんかでよく出てくる言葉で、こういうのがあります。
「人に嫌われるのが怖いからって、我慢を重ねなくてもいいんですよ。無理して怒りを押さえ込まなくてもいいんです。表に出したらどうですか?」
確かにそれはそうです。そのとおりなんですよ。
僕もそういう事を言う時がありますし。
でもね…。
その人が怒りを表した結果、嫌われたらどうするの?
我慢をせずに怒りを表したら、もっと激しい怒りが相手から返ってきたら?
それで仲間はずれにされて、凄く孤独な状態になってしまったら?
考えちゃうんですよね。
『その時にカウンセラーは責任を取れるんだろうか』って。
人間ってポジティヴな言葉や、やさしい言葉が好きなんですね。
やさしい言葉をかけてもらうと、確かにホッとしますし、時には涙が出たりします。
ただ、この『怒ってもいい』という言葉には気をつけないといけないと思うんです。
だって、【怒る】ということは、【戦う】ことでもあるから。
戦う以上は【勝算】が必要だし、【戦略や戦術】も必要です。
それでも時には、予想と違って負けてしまうかもしれないし、その時の覚悟も要ります(それが怖いから我慢しているんですものね)。
【怒り】というのは、『○〇してほしいのに、してくれなかった』という思いから発生する(ことが多い)感情です。
ということは、怒るのも結構だけど、『○〇してほしい』という思いを上手に相手に伝え、そしてその思いを実現することが大事だということになります。
『ポジティヴな言葉』や『やさしい言葉』もいいけれど、それを無責任に発する人は僕は嫌いなんですよね。
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