「施設改造計画」

という、たいそうなテーマを新しく作ってみた。


私の勤める介護老人保健施設、通称老健は、オープンして4年目のまだまだ若い施設。

それだけに、まだまだ改善しないといけないことは多い。


オープンして最初の1年は、利用者も安定していなくて、職員も入れ替わりが激しくて、落ち着かない1年だった。

2年でようやく施設として形が見えてきて、職員も安定してきた。

3年目で、やっとあたりまえのことができるようになってきた。


そして、今年で4年目。

個人的には、今年が勝負の年だと思っている。

あたりまえのことができているからいいじゃん、とこのままの状態で留まるか、あるいは、さらに良い施設を目指して、もう一歩前進するか。


今後、あたりまえのことしかしない施設になっていくのか、

もっともっと成長していく施設になっていくのか、その分岐点のような気がするのです。


私としては、せっかくこの施設で勤めたのだから、誇りをもって勤められる施設にしたい。

この施設で働けてよかったと、自信を持って人に話せるようになりたい。

だから、そのために「自分ができることは何か?」と考えながら仕事をしているつもり。


いい施設とか働きがいのある施設って、何にもせずに天から降ってくるとは思えない。

施設長まかせにしていても、なかなかいい施設にならない。

みんなで頑張って築いていくものだと思う。



オープンして1年目の話に戻るが、そのときは辞めていく職員がとても多かった。

  この施設はオカシイ。

  ここの施設では学ぶことが何もない。

  この施設ではやりたい介護ができない。

そう言って辞めていった。


そして、どこか違う施設などで結局また介護の仕事に就く。

自分の好みに合う施設が見つかるまで、転々と施設を変えていくのだろうか。

たしかに職場環境の合う合わないがあるのかもしれないが、場所を変えたところで結局また同じ現実にぶつかるにちがいない。なぜなら、実際働いてみないと、施設の内側は見えないから。


そうやって、運に任せていい施設を探していくのではなくて、どうやっていい施設にしようかという方向に考えたい。

どこで働くか も大事だけど どう働くか がもっと大事なんじゃないかな。


そんなわけで、3年目になってからいろんなことに挑戦してきたつもりです。

施設としても個人としても。

そして、現時点で少なからず成果が見えてきた気がします。


そんな取り組みの一つ一つをこれから少しずつ書いていこうと思います。

自分自身の学びのためと、ここを訪れてくれている方の参考のために。


まだ見に来てくれる人は少ないんですけどね(笑)

施設のなかで、介護職員がやらなければならい業務を、

「介護」「作業」に分けて考えなければならない。


先月、研修で学びました。


「作業」とは、利用者さんと接しない時間のこと。

リネン交換をしたり、掃除をしたり、入浴の準備をしたり、記録を書いたり。


「介護」とは、利用者と接している時間のこと。

一緒に話をしたり、歌を歌ったり、そばにいてあげたり、時には横でうたた寝をしていたり。


施設で働くうえで、両方の仕事をこなさなければいけないけど、

この「介護」と「作業」を一緒に混ぜて考えてはいけない。


私たちの仕事は、「介護」のしごとですから

一番大切なことは、利用者とともに時間を過ごすこと。

これを忘れてはいけない。

いかに「作業」を効率よくこなし、

「介護」に携わる時間を増やせるか。

これが大事。


どこの施設にもきっといるでしょう。

介護と作業を混同してしまっている職員が。

頑張って仕事をする = 早く業務を終わらせる

とか、

業務が早く終わる = 仕事ができる職員

とか、そんな考えを持っている人いませんか。

私のまわりにはたくさんいました。


「あの人とやると、仕事が終わんないのよね~。」

なんていう会話はよく耳にします。

もし私が先輩からこんなことを言われたら、

きっと翌日からは、ひたすら「作業」に走るでしょう。

そして、助けを求める利用者の声に、

「ちょっと待ってて~!!」

と素通り。


時には、利用者から声を掛けづらいように、

わざとパタパタと早足で歩く。

『忙しいんだから、いま声かけないで』

と心の中で叫びながら。


だって、利用者はやってあげなくても怒らないけど、

先輩には作業が遅いと怒られるから。

あるいは「仕事のできない職員」というレッテルを貼られ、

陰でグチを言われてたら嫌だから。


だから必死で、作業をしながら介護をして、

その意見に飲み込まれないようにしていた。


でも、確かに作業の仕事がたくさんあって、

なかなか介護に時間を費やせないのが現場の事実。


そうして、いい介護士ほど、心の中で必死に葛藤して疲れ果てていく。


でも、同じように頑張って介護をしている人もたくさんいると信じてるから

自分も負けないように頑張ります。

みんながんばれ。

介護が必要な高齢者にとって、「在宅」での生活が一番いい!!

そう思って、介護してきた。


でも、本当にそうなのだろうか。。。


長年住み慣れた自宅でのんびりと生活できることはとてもすばらしいことだ。

でも、在宅で生活してきた方や、施設から在宅に戻っていく方の

自宅での生活の実態をのぞいてみると、

一概に在宅が一番!とは思えない。


独居で1人きりだったり、

同居の家族がいるが日中は働いているので、1人きりだったり。

ヘルパーを利用していたとしても、1日に1~2時間しかいられない。

デイサービスを利用したとしても、通わない日もある。


結果的に、日中はほとんど独りぼっちだったりするのだ。


家で独りぼっちだった場合、みなさんはどう過ごすでしょうか。


本を読んだり、音楽を聴いたり?

でも高齢者は、老眼だったり、耳が遠かったりする。


散歩したり、友達とおしゃべりしたり?

でも高齢者は1人で出歩くのが大変なこと。

友達は、すでに亡くなったり入院していたり、施設に入っていたりする。


そうして、多くの高齢者は、

テレビを付けて(あまり見てはいない)

一日中ゴロゴロと横になっている。

それが実態。


まぁ、それも幸せな生活でもあるが(笑)



一方、施設での生活はどうだろうか。

うちの施設では、毎日必ず体操の時間、レクリエーションの時間、歌を歌う時間がある。

もちろん、参加は自由だが。

同じ世代の利用者さんがいっぱいいて、おしゃべりもできる。

定期的に行事もある。

地域の行事にも参加している。

動ける方は、家事とまではいかないが、日常のお手伝いもしていただく。



在宅と施設、

どちらが、高齢者にとって活き活きとした楽しい生活ができると思いますか。


昨今の国の方針では、在宅介護を進めている。

でも、施設で働く私としては、

いかに在宅で介護するか

   ではなく、

いかに施設のなかで楽しく、在宅のような馴染みの生活を送っていただくか

ということが、より高齢者にとってのQOLにつながるのではないか


そんなことを考えている今日この頃です。