私たちは、専門の資格を持ったプロの集団ですから、プロとしての責任があるという話の続きです。


施設や事業所の看板を背負って働いているわけですから、少なくとも二つの責任があります。

一つめは、
看板に泥を塗らないこと。
傷を作らないこと。

もう一つは、
看板の評判を良くするように努力すること。


こんなこと言われると、
「施設の評判のために働くなんて嫌だ」
なんて反発したくなる方もいらっしゃるかもしれません。

「わたしは会社のためになんて働くつもりはない、利用者のために働くんだ」
てな感じで。

実は私もその一人でした。


でも考えてみて下さい、

近所で評判の、とても良い施設
近所で噂の、ひどい施設

利用者にとって、喜んで利用したくなる施設はどっちですか?
利用していて嬉しい施設はどっちですか?


施設を利用していることを近所の人たちに話したときに、
「あらぁ、あの施設評判いいわよねぇ。私も利用することになったらあの施設がいいと思ってたのよ。いいわねー。」
って言われるほうが嬉しくないですか。

ですから、施設のために働くなんて嫌だ、という意見は屁理屈です。



誰だって好き好んで施設に入所してるわけじゃないんです。
できれば自分の家に住みたいし、家族と一緒にいたいはず。
でも、自宅での生活ができなくなって、やむを得ず施設を利用するハメになってしまっているのです。

ですから、私たちは介護のプロとして、少しでも喜んで利用したいと思ってもらえる、評判の良い施設にする責任があります。


心理学で勉強したなかで、こんなのがありました。

大学生を対象にした調査で、希望する大学に入れたかどうかと、大学生活が充実してるかどうかについての調査です。

結果は、その大学に入りたいと希望して入った人ほど、その後の大学生活が充実していると感じていることがわかりました。
第一志望校をあきらめて今の大学に入った人は、そんなに充実してないと感じる割合が多い。

もっと良い学校があったのにと後悔するからでしょうか?
逃した魚は大きい というやつでしょうか。


これを施設に置き換えて考えてみると、良い施設かどうか、入りたい施設かどうかといった前評判は、入所後の施設生活が充実しているかどうかに影響があるということです。



ということで、
会社に属している社員の義務として、
かつ、入所者の喜びのために、
みんなでそれぞれ良い施設にしていけるよう頑張りましょう!
「100-1=0」


学校で習ったのは、

100-1=99 でした。

ところが、この介護の世界では、100-1=0 という変な式が当てはまる場合があるとかないとか。



100人のスタッフのうち、素晴らしい働きをするスタッフが99人いたとしても、たった一人のスタッフの行動が施設全体の印象になってしまう場合があります。

一職員として、責任ある行動をしましょう、
というお話です。



例えば、施設の中で高齢者虐待があったとします。
時々ニュースにそういうのが出ますね。

恐らく、ほとんどのスタッフは真面目に頑張って働いていると思います。
多くの利用者さんに喜んでもらってることと思います。

でも、たった一人のスタッフの行動で、
「虐待の施設」
というレッテルが貼られてしまいます。

近所の人みんなが、その施設に行くと虐待されるんじゃないかと不審に思ってしまうでしょうし、虐待で報道された施設として代々語り継がれることになってしまうかもしれません。

これは大ダメージです。

長い時間をかけてコツコツと築き上げてきた信頼が、一気に崩れ落ちてしまいます。

一度失った信頼をもとに戻すのはとても大変です。
それまで築き上げた時間よりもっと長い時間がかかるかもしれません。


私たちは、専門の資格を持ったプロの集団ですから、プロとしての責任があると思います。

施設や事業所の看板を背負って働いているわけですから、少なくとも二つの責任があると思います。

看板を汚さない責任、

看板の価値を上げる責任

です。
能力を高めるには、日頃の訓練が必要です。

例えば、一緒に働くスタッフみんなの良い所がパッと思い浮かびますか?


彼氏・彼女とか好きな人の良い所ならすぐに思い浮かぶかもしれませんが、単なる仕事の同僚となるとけっこう難しいでしょう?

あるいは、彼氏彼女の良い所すら出てこないことも…?

いや、しかし有りがちな会話じゃないですか?こういうの
彼女「私のどこが好きなのか言ってみて。」
彼氏「んー。なんとなく。」


なんとなく、って!適当な。



さて、パッと思い浮かばないのはナゼでしょうか。

良い所が一つもないから?

たぶん違いますよね。


いつも一緒にいて、良い所をたくさん見ているはずなのに、スルーしているからです。
しかも無意識にスルー。


例えば、人の変な癖とかに気付くと、すごく気になったりしませんか。
じっと見てしまったり、何回やってるか数えてしまったりします。

こうなると、もうなかなかスルーできません。
意識してしまってるからです。



ある時、外出先でコインランドリーに行く必要があって、車を運転しながらみんなで必死にコインランドリーを探していましたが、そういう時ってなかなか見つからないものですね。
かなりの時間を使ってようやく見つけました。
ところが、もう見つけて用は済んだのに、そのあとも道々にあるコインランドリーに目がいってしまうのです。
探す必要ないのに(笑)


要は、これと同じことを相手の良い所でやればいいわけです。

初めはすごく意識しないと、なかなか見つけられないかもしれませんが、いつもいつも意識していると、ふと無意識に良い所を探している自分に気付きます。


悪いとこばかり見つける人じゃなくて、
良い所を見つける達人になりたいものです。