先日、SNS上で何気なく呟いた意見が、炎上して多くの批判を浴びた。もちろん賛成という声も多くあったのだが、批判してくる声がどれもヒステリックなのには驚いた。

 私がSNSをやっていなかった理由の一つ、twitterなどはしょせん140文字で表現するため前後の背景が抜け落ちてしまう.。そのため短い言葉に過度に反応されがちというマイナスの壁にぶちあたったわけだ。

 

 そもそもの呟きは、養育費の支払い拒否をされているシングルマザーに対して、「なぜそんな奴と結婚して子供まで産んだのか?」と言いたいという発言だ。これに対して経済的に苦しいシングルマザーに酷い」という思いから批判が湧きあがったのだろう。

 この一文からすれば、そういう意見が出るのもわかる。ただ、前提としてその元夫は離婚する前から仕事をせずに家にお金を入れていない状態であったことも書いてあるのだ。そんなダメな奴と結婚して子供を産むこと自体が、女性の判断ミスだという意味で呟いた。

 結婚した男が金を稼がず離婚後の養育費を支払わない、もちろん悪いのはまずは男の方だが、そんな奴を自分の子供の父親にした女にも責任があり、一番かわいそうなのは子供だと言いたかった。

 世の中にはレアなケースもあるだろう。「真面目に働いていた夫が事故にあって収入がなくなった」とか「高収入を得ながら自分の子供へのお金さえ無視するという極めて冷酷な悪人」とか。

 ただ私が取り上げたケースは、もともと結婚する前から無職で、結婚してからもギャンブル狂いで借金を作り、ほとんど家に金を入れない、そして男の実家も同様に経済的に崩壊していて援助など期待すべくもない、そんなケースだった。こんな状況で養育費が得られるわけもなく、差し押さえしようにも相手にはそんな金すらないという状況だった。

 だから、そもそも「どうして結婚して出産したのか?」という話なのだ。生れてくる子供が一番不憫なのだ。このような不幸を避けるために、「結婚や出産には慎重になりましょう」という意味での発言なのだ。

 

 男性が稼いで女性を養うという事が正常な家庭の姿だと押し付けるつもりもない。

 「女性がバリバリ働いて、男性が主夫として家庭を切り盛りする」(このように表現すると、何か強く怖い女性というイメージがあるが、私の知っている限りこのような女性は優しくチャーミングなことが多い)とか、「女性の実家が大資産家で働かなくても何ら困らない」(このケースもよくあるが、夫婦で学術や趣味に生きていて、それなりに幸福そう)などなど、家族には様々なケースがある。

 しかし、そうではない場合は、きちんと将来を見据えて結婚や出産を考えなければいけない。

 

 結婚は恋愛の延長線上に考えてはいけない。「金を稼がない男」にも、その以外の魅力があるから恋愛は成立したのだろう。

 その魅力、「かっこいい」とか「イケメン」とかの他にも、「癒される」「ワタシをわかってくれる」「夢を追っている」などいろいろあるだろう。それはそれで良い。

 しかし、結婚をするならばそれらのプラスの部分とセットになった経済的な苦境というマイナス部分も引き受ける覚悟なければならない。ましてや、子どもを産み育てるというのであるならば。

 苦境に陥って泣き言をぶちまけたい気持ちは察するが、それはしょせんは詮無い話というものだ。

 これは男女逆の場合も同様だ。「美人だけど金遣いの荒い女」や「優しく家庭的だが、いっさい外で仕事をしたがらない女」と結婚するようなこともあるだろう。

 

 こういう話を書いていくと、「結婚、出産も自己責任か?」と反論する人もいる。

 世の中には「自己責任」という言葉を極端に嫌う人々がいる。

 生きていれば自然災害や犯罪被害など、自己責任を言えないような問題もある。

 またブラック企業や就職氷河期など社会的なもので、すべてを自己責任で済ませられないような問題もあるだろう。

 しかし結婚や出産というプライベートなことは、やはり自己責任の範疇で考えなければと思う。

 これは何も「働かない夫」の問題だけでなく、古くからある「嫁姑」の問題でも同じだ。