「冷血」  カポーティ著   新潮文庫

 

 最近、日本の国においても異常な精神状況を体現するような凶悪犯罪が引き起こされている。

 この有名な著作は、アメリカの片田舎で起きた一家4人の惨殺事件に関する、ルポルタージュものである。昔からこの手の話は世界には存在していただろうに、改めて読み返してみると、とても陰鬱である。

 凶悪犯罪が起こるたびに、現代人の心の闇とか言うような陳腐な言葉で語られるが、やはり身近な所に危機や悪は潜んでいるのだろう。

 私たちも平和な生活のためにくれぐれも用心したいものだ。

 

 ところで、この著者のカポーティは、有名な「ティファニーで朝食を」の著者カポーティと同一人物である。