週末のニューヨーク市場で、雇用統計の発表を受けてダウが暴落したということを前回のブログで触れた。

 雇用統計で悪い数字が出たから株価が下落したのではない。

 雇用統計で思わぬ良い数字が出たから株価が下落したのだ。


 これはどういうことか。少しおかしいのではないかと思われる方々も多いと思う。


 雇用統計で良い数字が出る、ということは雇用が拡大しているわけで、景気が回復基調にあるということだ。

 景気が上昇すれば、当然のことながら消費も拡大して企業業績はプラスになる。

 ゆえに株価は上昇していく、のはずであるが現実には株価は暴落した。

 これは経済の教科書的な常識に反しているというわけだ。

 なんせ、雇用が減少して景気が後退した方が、株価は上がるのだから。


 このおかしな現象の理由とは。

 雇用が拡大して景気が回復すれば、政府による金融緩和政策(低金利政策)が止まり、過剰流動性が低下する、ゆえに株価が下落するということだ。

 まさに株式に投資している資本家にとっては、景気が悪い方が都合が良いということだ。


 なんとも不思議な話だ。