西武新宿線の高田馬場から一つ目に、下落合という各駅停車が止まる駅がある。ここは私の地元の駅でもあるので、今朝は特別委員会に出かける前に恒例のビラ配りを行った。


 この駅へ向かう道からは駅のホームの様子が正面に見える。そのためかホームに列車が到着しそうになると、その発車間際の列車めがけて、多くの人々が走りながら飛び込み乗車をしようとする。

 列車が見えると、人々が走り出す。毎朝、繰り返される情景だ。


 それにしても、老若男女、ほとんどの人々が走り出すのだ。

 学生などの若い連中が、滑り込みセーフを狙って走り出すのならば理解できる。

 しかし、ばっちりとメイクをきめたOLが、ハイヒールをカツカツ鳴らしながら全力で走る。 

 または、白髪まじりの初老のビジネスマンが、カバンを抱えて全力で走る。

 その光景は凄まじい。


 この場所で全力疾走するくらいならば、もう数分間か余裕を持って早く家を出れば良いのにとも考えるのだが、、、。


 そして、今朝、若い男が頑張って走り過ぎたせいか、ポケットから財布を落としていった。彼は走るのに夢中でまったく気づかなかったので、私は大声で知らせてあげた。

 さすがに彼は財布を拾いに戻ってきたが、私が知らせなければ、彼はめでたく列車に飛び込み乗車は果たしたけれど、本日最大の不運に遭遇することになったであろう。


 それにしても、しかめっ面をしてトボトボ歩く人よりも、元気に全力で走る人の方が、世の中には活力を与えるのかもしれない。