スイカの食べ方で、フッと思い出したことがあった。子供の頃の話だ。果物はリンゴでもモモでも、オレンジでも皮をむいて食べるのが普通だ。だけどスイカやメロンなどは皮をむかないで切って食べる。

 

 このことが子供心にとても不思議だった。メロンは皮が固いので納得ができるが、スイカはどうして皮をむかないのだろうと、いつも疑問に思っていた。食べ方を違えることによって、味が変化するのだろうか、とも思ってもみた。まぁ、小さな子供が考えそうなくだらない話だ。


 ある時に、小ぶりのスイカを外側の皮をむいて食べてみた。いつもと変わらずに美味しいスイカの味だった。次にはメロンに挑戦してみた。やはり皮をむいて食べても、メロンの美味しい味は変わらなかった。私は大満足だった。


 しかし、そのことで私は親に怒られた。納得がいかなかったが、今にして思えばスイカやメロンを一つ丸ごと食べるという発想がおかしかったのかもしれない。(当時は、メロンは高級品だった)


 フッと思い出した、子どもの頃の夏の思い出である。

 とても平和な日常だった。ちょうど「サザエさん」のようだ。