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hiro-chanのsmile日記

2014年9月に乳がん発覚。
手術、化学療法を経て現在、経過観察中。
乳がんと向き合いながら日々のできごとや想いを綴っていきます♪

10/2㈰に参加したピンクリボンシンポジウムのセミナーレポートをshareしま~すニコ

今回のレポートは、4つの記事になってますポーン

いつも以上に、とても長いレポートになっています。

読んでくださる方々には負担になってしまい、申し訳ありません。

 

ですが、私としては3名の先生方が40分という時間枠の中で、丁寧に誠実に一生懸命お話してくださった内容を、できる限りレポートしたかったのです。

 

シンポジウムに応募しても残念ながら会場でお話を聞けなかった方や、遠方で参加できなかった方も居られると思います。

そんな方々にも、シンポジウムでの講演内容を私の出来る範囲でお伝えしたいと思いました。

 

記事に興味の無い方はまた遊びに来てくださいねm(._.)m

 

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ピンクリボンシンポジウム2016東京

いっしょなら、きっと乗り越えられる。

-乳がんの最新治療と心のケア-

 

2016.10.2(Sat) 有楽町朝日ホール

 

 

1.個別化に向かう乳がん診療                  中村 清吾先生

(昭和大学医学部乳腺外科教授)

 

乳がんは日本の女性の罹患数は第一位、死亡数では第二位を占める。

1985年の推計値では約20000人、2007年には3倍の60,000人、2016年のがん罹患予測数によると2028年には90000人が乳がんに罹患すると予測され約4倍以上になっている。

乳がん罹患数が増加している要因として、動物性脂肪を多く摂取することによる肥満傾向になるなど欧米化の食生活を中心とする生活習慣の影響があると考えられる。

 

乳がんのリスクファクターとして以下のものがある。

栄養状態:高脂肪食 アルコール 肥満(肥満指数が1.2以上)

未婚

初潮年齢が11歳以下   閉経が55歳以上

乳がんの家族歴  ホルモン補充療法 対側乳房に乳がんの既往

良性乳房疾患の既往 乳腺組織密度

☆長期に渡って女性ホルモンにさらされると乳がん発症のリスクが上昇する。

 

乳がん手術の術式の変化について

1900年代:ハルステッド手術(乳房・大胸筋・小胸筋・腋窩軟部組織を一塊に切除)

       一般的な術式でこれにより生存率が良くなった。

1980年代:フィッシャーによる胸筋温存乳房切除。

       フィッシャーは、乳癌はかなり初期から全身病であること。リンパ節転移があるものは、がんが全身に広がっている証拠であるという概念を最初に広めた医師。

2000年以降:乳がん組織に対する分子医学的アプローチから乳房部分切除術(乳房温存)が行われるようになった。

 

 

乳がん検診について

2007年、日本のマンモグラフィー(MMG)による乳がん検診受診率は23.8%。

その後、地方自治体によって乳がん検診無料クーポンが配布されるようになったが、現在でも

50%に届いていない。

 

米国では、2012年に30年のまとめデータが発表され、その中で早期乳がん(リンパ節転

移無し)と非浸潤がんの発見は多いもの、進行がんの発見に変化はなかった。

この結果から考えられることは、乳がんにはスピード感の異なるタイプがあるということで

ある。

現在、遺伝子発現パターンで再発を予測可能かどうかの遺伝子解析が行われている。

 

高密度乳房(デンスブレスト)について

MMGでは、乳腺組織は白く写る。またがん組織も白く写る。

デンスブレスト:乳腺組織が80~90%ある乳房のこと。日本人を含むアジア人に多い。

デンスブレストの人はがん組織が乳腺組織に隠れて見えにくくなり、発見が遅れてしまう。

MMGでは腫瘤を発見しにくいが、超音波(エコー)だと発見が容易になる。

年齢を重ねると乳腺組織が萎縮し、がんも発見しやすくなる。

 

J-START(MMGとエコーの第三相比較試験(RCT))について

若い女性への乳がん検診の標準化と普及に向けて比較試験が行われた。

マンモグラフィーのみの健診グループとマンモグラフィー&エコー検診のグループで比較。

マンモグラフィー:精度管理が確立されており欧米でEBMとして確立している。

エコー:精度管理が確立されていない。有効性を示すEBMが無い。

 

初回検診結果としてMMG+エコーの検診グループでは要精査率が上昇。中間期がん(検診と検診の間に見つかるがん)がMMGのみの検診グループより減少。

 

最近の人工乳房による再建手術について

2013年9月、人工乳房による再建手術が保険適用になった。これにより乳がん手術の術式選択の前提が一変した。

部分切除(乳房温存)+放射線照射か乳房切除(全摘)+乳房再建か。

がんを綺麗に取り除くことが大前提である!

無理な乳房温存は整容性を損なう可能性がある。

保険適用後のインプラント再建術は、かなりの勢いで普及している。

 

 

遺伝子検査について

遺伝子検査の目的として、がんの診断・抗がん剤の効果予測・薬の副作用予測・薬の適正量の予測などがある。

 

~オンコタイプDX~

ホルモン陽性タイプではホルモン療法が効果が高く、化学療法(抗がん剤)は効果が低い。

HER2陽性タイプは化学療法の効果が高い。

オンコタイプDXは、21の遺伝子発現パターンで再発リスクを予測する遺伝子検査。

米国、英国では保険適用になっており、この遺伝子検査によって30%の患者が化学療法を回避できている。

残念ながら、日本ではまだ保険適用外。

 

遺伝性乳がんについて

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)は全乳がんの10%。45歳以下の若年性に多い。

BRCA1/2という親から子へ伝わる遺伝子が変異して発症する。

一般の人に比べて乳がん発症リスクが10倍であると指摘されている。

そのため、MRIによる検診等が診療ガイドラインに盛り込まれている。

HBOCのリスクを知るためには家族歴や既往歴の把握が重要だが、核家族化している現在では難しいところもある。

標準治療の枠組みに、HBOCに対する治療を組み込んでいく取り組みを進めている。

 

EBM(根拠に基づく医療)に基づくマンモグラフィー検診の動向について

超音波検査:再現性に乏しく検査施行者の手技に左右されやすい。

      全画像をフイルムにして保存する取り組みが行われている。

オランダでは個々の乳がんの発症リスクによる検診スケジュールを組んでいる。

 

今まで日本の乳がん検診は、MMGを用いた検診を中心として年齢をもとに一律に推進してきた。

これからは遺伝子情報を用いて個人のがん発症までの大きなリスクをより正確に把握し、そのリスクに応じた検診プログラムを確立したり、超音波やMRIが検診者の選定や至適時期及び間隔の設定において一翼を担う可能性もある。

今後、個々にふさわしい検診の在り方を追及していくことになると考える。

 

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次は渡辺 享先生のお話です。