わたしの好きな詩。
茨木のり子さんの詩。


わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがらと崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
誰もやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残し皆(みな)発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように ね
はじめてこの詩を読んだのは小学生だったかな。

戦争を体験して苦しい経験をしても、
絶望の中から光を見つけてのっしのっし歩く、凛とした美しさに衝撃をうけた。

わたし、茨木のり子さんもだけど、与謝野晶子さんとか美輪明宏さんとか世間一般のルールじゃなくて、自分の強烈な美意識で生きてる人好き。


三輪様の本で、日本の女性はもっとカラフルな服を着た方がいい。

建物もグレーで無機質、グレーのスーツに身を包んだ男性たちに、女性たちまで暗い色の服を着たら、街が殺風景!!!
心までかさかさしてくるのは当たり前。

華やかなワンピースを着て颯爽と歩く女性が増えれば、景色もとても美しくなるでしょ?

みたいなことを、なんかの本に書かれてたのもずっと心に響いてる。

だから、個性的で生命力あふれるキテンゲ(アフリカ布)で、とびっきりのおしゃれした女性が街に増えたら、どんだけ景色にも彩りを添えるか😍って思ってますねん。