バンコク楽器店事情 大手総合楽器店からの続きです。その他の総合楽器店諸々を紹介していきます。今回は以下の4エリアです。

 

 

これらは楽器店が複数存在する、いわば「楽器店街」のようなものです。と言ってもせいぜい数店舗で、お茶の水のように何十もの店舗がひしめき合っているわけではありません。

 

  フォーチュンタウン  Fortune Town

MRTラーマ9世駅目の前にそびえる超縦長のショッピングセンターです。向かいにはセントラルラーマ9があります。どちらかと言えばPCなどIT関連の店が多いことで有名です。このフォーチュンタウンの3階中央付近に複数の楽器店が密集しているエリアがあります。HPからの地図でいうと、この赤丸印の箇所になります。

ちなみに店がコロコロ変わるからなのか、地図には店名など一切書いてありません。ここに載っている店名一覧から read more を押し、テナント番号を一々探し出さなければなりません。ターミナル21とかメガバンナーとかも地図にはこのように数字しか書かないアンフレンドリー仕様です。まあ楽器店はこのエリアにしかないので、ここまで辿り着ければあとは順番に見ていけば良いかと思います。2022年3月現在で確認できた店は、以下の5店舗です。

  1. Capital Music นครหลวงการดนตรี (23-24)
  2. Music Center (63)
  3. Paul Ray Guitars (31-32)
  4. Cin Guitars (33)
  5. iGuitar Music (64-66)

ここには楽器店だけ書きましたが、オーディオ関連のショップやレコード屋なんかも同じフロアにあります。興味がある方はぜひ端から端まで探索してみてください。

 

Capital Music

古臭い歴史を感じさせる楽器店です。HPも何年前から更新していないんだ、という感じです。アコギとクラギが主で、そのほとんどがタカミネ製品。それも日本製の100のような3桁シリーズではなく、海外向けの中国製廉価モデル(Gシリーズなど)がメインです。別にタカミネが嫌いなわけではないですが(むしろ欲しい)、こんな選択肢が極端に制限されたラインナップで、本当に商売する気があるのか甚だしく疑問です。でもちょくちょく客が入って店員さんと話しているところを見ると、コアなファンがいるのかもしれません。店員さんは年配のおばちゃんであることが多いです。サイアムパラゴンとシーコンスクウェアにも支店があります。

 

Music Center

こちらはうってかわって大分モダンな雰囲気になりました。品揃えはエレキギター・ベースが中心で、アコギも若干というところです。低価格帯〜高価格帯と幅広く揃っています。Fender や Gibson も何本か扱っていますし、入ってみる価値は十分あります。

 

Paul Ray Guitars

Paul Ray Guitars という名前ですが、写真の通りキーボード・電子ピアノの取り扱いも多いです。実はこの向かいにある iGuitar Music の系列店です。この Paul Ray というのはギターのブランド名でもあり、詳細は聞いていませんがおそらくこの iGuitar Music のオリジナルブランドではないかと思います。価格帯は4-5000バーツ程度とお求めやすくなっています。左のテナントはつい最近店舗を広げたばかりのようで看板がまだなかったですが、同じ店です。この Paul Ray 以外にも、Squire などの入門〜中級のエレキギターを多く取り扱っています。

 

Cin Guitars

アコギ・クラギ専門店です。ド定番の Martin や Taylor などがない代わりに、Alvarez、Guild、Cordoba などを主力商品にしています。Music Collection などの他店では取り扱いがないものも多いので、アコギをお探しの方は足を伸ばしてみるといいかもしれません。Cordoba のフラメンコギターなんかもあるのがいいですね。ちなみにここ以外にもフューチャーパーク・ランシット、メガバンナー、ファッションアイランド、チェンマイの4店舗があります。メガバンナー店が広くてオススメです。

 

iGuitar Music

フォーチュンタウンの大本命です。最近改装が終わってきれいになりました。敷地面積も広く、取扱い本数も相当です。看板にさりげなくカタカナ表記があるんですが、アイキターになっているのが可愛らしいです。

 

様々なアンプがあります。ウクレレは aNueNue、Kala、Flight などです。

 

Fender系、Gibson系、Ibanez など、中〜高価格帯の商品がずらり。向かいの店舗と合わせれば、かなりの量になります。

 

アコギも本数はありますが、1万バーツ未満の比較的低価格帯のものが多い印象です。

 

 

以上がフォーチュンタウンの店舗紹介になります。ここと以下で紹介するスアンルアンに行けば、欲しいものは大体見つかるのではないかと思います。

 

 

  スアンルアン สวนหลวง

スアンルアンはMBK近く、チュラロンコン大学の裏にあるエリアです。通りの名前でいうと Soi Chulalongkorn 5 です。
この一帯は学生街ならではの飲食店が立ち並びます。おいしいレストランやスイーツの店なども多いのでまた別記事で紹介しようと思います。
スアンルアンには3つの楽器店があります。
  1. Taodang เต่าแดง
  2. INTERMUSICTHAILAND
  3. beh ngiep seng เบ๊ เงียบ เส็ง
このうち beh ngiep seng は高級機の品揃えが多いです。例えばエレキは Fender、Gibson、Musicman、Gretsch などが目立ちます、特に Fender の品揃えは圧巻。チュラ大でバンドをやる人はここに探しに来ることが多いです。 敷地面積も広く、店もキレイで良いですが、アクセサリ類は他の店の方が豊富かもしれません。これは業種を問わないタイあるあるですが、客の数に対して店員の数がやたらと多いです。常に10人くらいいるんじゃないかと。みんな暇そうにしてますね。
 
この隣に INTERMUSICTHAILAND があります。建物がつながっているのですぐにわかります。
 
こちらはベースやドラムの品揃えが豊富です。うまく棲み分けしているんですね。
 
最後の1軒が Taodang で、前の2軒とは少し離れたところにあります。เต่าแดง は直訳すると「赤亀」ですが、テントウムシのことで、看板にも絵が描かれてます。ナコンパトムに本店があり、こちらとチャトチャックに支店があります。通販にも力を入れており、何度か購入経験があります。
この店はエレキ・アコギ・キーボードなどの入門機〜中級クラスをまんべんなく揃えている印象です。また、最大の特徴として enya や Lava などニューブランドの製品の取り扱いが多いです。店員さんは前の2軒に比べてかなりフレンドリーな印象です。
ヤマハのアコギが多いです。キーボードも豊富。
 
 

  セントラルワールド

言わずと知れたバンコク中心部のデパートです。以前は楽器屋が多かったようですが、2022年3月現在で確認できたのは以下の2店のみです。どちらも5階にあり、向かい合って位置しています。

  1. Rock Planet (HPは準備中、代わりにFBページのリンク)
  2. Music Concept
Rock Planet は入門機〜中級が多い印象です。アコギ・エレキ満遍なく取り扱っています。Rock という名前の割に、奥のガラスで仕切られた小部屋の中に10万近い Jose Ramirez のクラシックギターが置いてあったりもします。ほぼデッドストックと化した状態でしたが...
 
Music Concept は、上で紹介したスアンルアンの beh ngiep seng の姉妹店です。品揃えも似ており、中級〜高級機のエレキが中心です。
 
他ではあまり見られない Gibson のアコギも僅かながらあります。

 

 

  アッサダーン通り ถนน อัษฎางค์

最後におまけですが、バンコクで一番の楽器街とも言える「アッサダーン通り」を紹介します。場所は旧市街側、王宮前広場横の運河沿いです。昭和の香りがプンプンするローカルエリアです。

この地図の最も北側 Music Collection アッサダーン支店あたりを起点に南方向へ進んで内務省の角まで400mほど、楽器店や作業用具の小規模な個人商店が連なっています。 楽器店だけで10店舗くらいはあるかと思います。写真を撮ってくるのを忘れたので、Google ストリートビューで勘弁してください。
 

Music Collection 以外の個人商店では、売っている商品の多くはメーカー不明の低価格帯のもの、中には1000バーツのギターなんかもあったりします。実はバンコク市内にはこういう個人商店はあちこちに点在しています。なんでもいいからとにかく安いのが欲しい、とか昔ながらの雰囲気を見てみたい、という人にはオススメです。

問題は、ここまでの交通手段です。車で行ける方は問題ないですが、王宮から微妙に離れていて川からもアクセスしにくいので、バスをお勧めします。スクンビット通りを横断し、セントラルワールド前を通過して、このアッサダーン通りまで来る2番バスだと目の前で降りられるので一番楽です。もしくはサナームルアン(王宮前広場)まで別路線で来て、そこから歩いてもよいかと思います。

 

 

楽器店紹介はまだまだ続きます。