バイト先ではグループLINEが
時々、使用されてた。
シフト更新の写真や、
コロナのこと、
注意事項などがあれば
あきちゃんから発信されてた。
新人さんが来たら、誰かがグループに誘う。
「あの子、nomさんが誘ってくださいね」
と、あきちゃんが言ってきた。
「あ、小手川君ですか?」
「私はあんまり知らないし、よろしく〜」
「はーい」
ゆうくんが辞めて1ヶ月
新人君の指導係に任命され
私は忙しくしてた。
「てか、ゆうさぁー!」
あきちゃんから久しぶりの名前が
飛び出したから、私はドキっとした。
「いつグループLINE抜けるねん」
実は私もそのことで、あーことみ〜ちゃんと
話をしていた。
グループLINEは大体、辞めた日か
せいぜい次の日には退会。
名残惜しむ間もなく、みんなサクサク
退会してたから、
1ヶ月経っても退会しないゆうくんに
あきちゃんが、しびれを切らしてた。
「今日、アイツにLINEして言おう」
「別にそのままでもいいんじゃないですか」
「だって、シフトとか見られるの嫌でしょ」
そーでもないけど
だって、忘れられたくないもん…
【きちんと挨拶できなくてごめんなさい。
ゆうくんも、身体に気をつけて
これからもがんばってね】
と、既読のつかないLINEをしたから
せめて、グループLINEでは
覚えていてほしかった。
「あれ、ゆうくん読んでるよな」
あーこも気がついてた。
「なになに?!」
み〜ちゃんが、興味津々。
「え、ゆうくんさぁ、既読してるやろ?」
「え?まじで?」
「うん、8人いてて7個既読ついてるから」
「えー!早く退会してよなぁ!」
み〜ちゃんも言う
「あ、そうや!カステラのお礼しようかな」
「やめときやぁー!」
「それ、面白いやん。それで気づくんちゃん」
その日、あーこがグループLINEに
ゆうくん宛でカステラのお礼をして
次の日に、み〜ちゃんがお礼をしたけど
なんの返事も付かず。
「なんなん!BBAには返事もせーへん」
「nomちゃんがしてみてや!」
「私もむりやろ!既読付かへんのに!」
いやほんまに
そうなんかも…
ほんまは、夢幻見てたのかも知らん…
あれきりこれきり
連絡すら来ない…。
そこから、1週間後
私もカステラのお礼をしたけど
(やはり)返信が来ず。
次の日にあきちゃんに
「みんな、なんでいきなりお礼してるんですか」
と、笑われた。
「ゆうくんがまだグループLINEにいてるから
読むかな〜と、思ってぇ」
「ゆうに、LINEして退会しろって
言ったら、忘れてた!やって」
忘れてた??
忘れてるわけないやん
あんなに毎度既読つくのやから、
普通、退会しようと思うはずやのに。
「あ、小手川君、早くグループ誘ってください」
「忘れてました 今日誘います」
「正直、別にいいんですけどねぇー
あんまり機能してないし」
「確かに…」
私は仕事終わりに、小手川君とLINE交換して
夜にグループLINEに誘った。
次の日の朝
突然ゆうくんがグループLINEに
返信をしてきた。
【こちらこそ、お世話になりました!
5年という長い月日の中で
色々あったけど
楽しかったです!
みなさんも、体には気をつけてお元気で】
「あれ、私が入れてから2週間経つねんけど」
と、あーこが怒ってきた。
「ほんまや!私も2週間や!」
み〜ちゃんも怒ってきた。
「あれさぁ、nomちゃんが入れたからちゃん」
「え、違うやろ。たまたまやろ!」(嬉)
「だって、私らのとき何もなかったやん!」
「けど、私も3日ほど何もなかったよ」
「3日やろー!笑 」
「もしかして、小手川君をグループLINEに
nomちゃんが誘ったから、妬いたんちゃん」
「えー!ないよ」
と言いつつ、そうなら嬉しいな…
ゆうくんは、他の男の子がいると
いつも【俺ら仲いいねん】というように
してきたから。
けど、本命の個人LINEは未読なのやから
意味は成さないのやけど
「アイツ、まだ抜けへん!」
あきちゃんが、ますます不可解な顔をした。
7月も下旬、ゆうくんが辞めてから
間もなく2ヶ月経とうとしてた。
「あれから、何回か言ってるのに
抜けないんですよ!!」
「そのまま放っときましょうよ」
「嫌でしょ〜!何考えてんかな…」
私もコレに関しては色々考えた。
抜けない理由は
ただ単に本当に忘れているのか
退会するのが面倒なのか
それとも、、、、
いや、それなら個人LINE
してくれたらいいやん。
無いよなぁ…
何を考えてるんやろ?
あきちゃんじゃないけど、
私も不可解やった。
そこから程なくして
あきちゃんが、ゆうくんをとうとう追い出した。
【アキがyuuを退会させました】
を見たときは
これで一つ、ゆうくんとの
繋がりが切れたんやと
理解しなくちゃいけなかった。