第76回日本オープンゴルフ選手権のラフ。鷹之台カンツリー倶楽部、名門の矜持その45。 | 若き親友への手紙

第76回日本オープンゴルフ選手権のラフ。鷹之台カンツリー倶楽部、名門の矜持その45。

第76回日本オープンゴルフ選手権が開催される、
我が鷹之台カンツリー倶楽部。


その準備が、着々と進められている。

前回、2000年に
この鷹之台で
日本オープンが開催されたときの
ラフの過酷さといったらなかった。

くるぶしまでどころか、
脚のすねにまで達するほどの長いラフが
僕らアマチュアゴルファーを
日本オープン開催前後の半年以上を苦しめた。

ラフに向かって飛んでいったボールは、
あのあたりに着地したとわかっても、
なかなか見つからない。

たとえボールが見つかっても、
それは前に打ったひとのロストボールだったりする。

そう、打つ前に
ボールを見つけるのが一苦労なのだ。

もちろん、見つかったボールを打つ段になると、
それ以上の過酷な仕打ちが待っている。

とにかく、ラフから脱出するだけでも
たいへんな苦労だ。

だから、優勝スコアがパープレイ近辺だったりしても、
このコースで、このコンディションで、
よくもパーで回れるものだと目を見張らざるを得ない。

そしていま、鷹之台では、
フェアウェイとラフの境界線を定めるための
試験的な措置が施されている。

そのフェアウェイの狭さといったら
驚くほどだ。

しかも、砲台のグリーン周りは、
しっかりと刈り上げられ、
少しでもグリーンを外れたボールは
バンカーに向かって転がっていく。

いったん伸ばされたラフは、
日本オープン開催前に再度短くカットされ、
本番前にまた伸ばされるという。

いや、本番前に、
いよいよ本格的に
ラフの牙を剥かせるのだろう。

これから、日本オープン開催までの5ヶ月。

その後、ラフを短くするまでの数ヶ月。

鷹之台は、
僕らが知っている鷹之台では
なくなってしまう。

けれどそれは、
もしかしたら鷹之台が隠し秘めていた
本来の鷹之台かもしれない。

繊細であり、
端正であり、
紳士であり、
どこまでもジェントルな、
そんな鷹之台に獰猛さが加わったとき、
鷹之台は生来の野生を取り戻す。

10年間眠っていた、
鷹之台がいまその長い眠りから
醒めようとしている。

お楽しみはこれからだ。