部屋中に罠が仕掛けられていた

小さい蟹が私の額にこびり付き、なかなか剥がれない



部屋を飛び出した私は、懐かしいあの神社に向かった

やあ、どうやら今日はお祭りだ

あれもこれも、懐かしいばかりだ



私の小さな姪が、ゲーム賭博のようなものに興じている

どうやらそこで得たポイントを利用して、お菓子や何かが貰える仕組みらしい

「みんなやっているよ」

店主がいないのを良いことに、子供らは不正な利益を得ようとする

それはとても悲しいことだ



ゲーム筐体の間にあるドアを逃げるようにくぐると、

そこは貴人たちの集うホールであった

子供らを遊ばせておいて、彼女たちは自分らの話に夢中になっている

ああ、私はここにもいられないのか



私は海を見に行った

別れの記憶しかない海に

結局のところ、また、どこにもいられなかった

お前はあの店に行こうという、
私はあそこに行こうという


それは間違いなく、単に私の下心によるものであり
結局、私はあの店に行くことにした


あの店が嫌いなわけではない
きっと買いたいものもあるとは思う


それが証拠に、事実あの店に来てしまえば
私はやはり楽しく思うのだし、欲しいと思っていたものも
そこに確かに存在するのだった


ただし、お前の門限を考えると
今の時間がもったいなく思うし


簡潔に言えば、お前と私とは意見が違うということに
すべては完結するのだった


お前の痩せた肉体がもどかしい

「いっそ星なんて、みんな落ちてしまえばいいのに」


少女の呪詛は地を駆けて、林を抜けて風になる

しかし誰一人、彼女の声を聞くものはいない


もうすぐ月が満ちると囁いた、彼の人はどこに行った?

きっと魔女の釜に賭けて、音も聞こえぬところへ行った


のざらしになった彼女を弔うものは誰もいない


ああ、青く染まった荒野を海風は疾く吹き抜けて

美しかったあの丘の形までも変えていく


君が生まれた、あの神秘的な洞窟の泉も

今は百年の水の底にあるか


あるいは、時はもう欠けて

誰の記憶にも残りはしないのか

彼のところで舌の延長手術を受けた
日常に支障をきたすほど、私の舌は短いとのことだったから


「やっとこ」のような器具で、私の舌は潰され引き伸ばされた
健常者と同様の長さになった舌は、何かを喋るにあたって
かえって不便さを感じるものだった


彼の態度は生意気というよりも、むしろ横柄で不遜であった
ひょっとすると、それは精神の疾患なのかもしれない


彼はその道に携わる医師ではあったが、彼のその性質については
村でも知らないものはいないような有様であった

学生時代の彼が、根拠のない横暴を通すため、周囲の人間に
過度な暴行を加えたことは、もはや周知の事実なのだ



舌に不自由を感じる私が家に戻ると、なにやら
一族郎党を引っくり返しての大騒動が起きていた


どうやら血縁のものたちの中でも年少の少女が
どこにいるのか分からない状況らしい


恐らく、彼の仕業であろうと推測はしていたが
少女を探しにいったものが死んだことで、
やはり彼の手口であることを私たちは確信した



ちょうどその頃、テレビで少女の容態が報道された
いわく、数リットルの水を瞳に受けて重態らしい



私たちは学校まで彼を探しに行って、
正当な報復を与えなければならないと考えていたが
突然、洞窟が崩れてしまったことで、私の世界すべては
重たい土砂の下に埋もれてしまった



誰もいなくなった地上を、目に包帯を巻いた少女が歩く



数年後、地上に戻った私は薄汚れた店で博打を打ちながら
いずれここでも彼に敗北することを予感した





多分、懐かしいドーナツ屋にいる
あれも、これも、たくさんのドーナツを注文している

どこかで見知った顔がやってきた
あれは、当時の私の教え子だ

溌剌としているなぁ、
もう、立派な社会人だなぁ、

きっと私が教えたと思っていたことは、
今の彼にとって、何の役にも立っていないことだろう