どんなものでも
正しい使い方というものがあり
それを想定して作られていると思うのに
どうにもそうではない使い方をされていると
思えて仕方のないものがあります。

それは例えば
ヴァイオリン

ちょっと敷居が高そうで
難しい楽器の代表格のようなイメージの
あの楽器です。

確かにそういう一面もあるのですが
ヴァイオリンのことを知れば知るほど
こんなに優秀な楽器はないんじゃないかと

思います。

まず外見。
指を乗せる部分(指板)はギターと似ていますが
ヴァイオリンにはギターのようなフレットは

見当たりません。
音程を取る目印となるフレットがないことで、
ヴァイオリンは音程を取るのが難しい楽器
と思われてしまうのも、わからなくはないです。

しかし
ここで考えてみてください。

ものは出来上がった後も、使いやすいように
改良が加えられたりするのに、
ヴァイオリンの場合は、作製された当時から
その姿は大きくは変わっていないのです。

それは
作製された時点ですでに完成されていたから。
作製当時に完成品ができてしまったから、
その後に改良する必要が生じなかった
ということに他なりません。

もし
作製当時から現在に至るまで
フレットが必要と思われた時代があったなら
今ごろヴァイオリンにはフレットが付いていた
かもしれません。

でも
実際には、そのような事態は免れ、
ほぼ作製当時の姿のまま

現在に受け継がれています。

ということは
これまで誰もフレットがほしいとは思わなかった
ということであり、それならば
それはどうしてだろう?と立ち止まって考える
必要があると思うのです。

幸いにしてというか
なぜか私は
ヴァイオリンを初めて手に取った時から
このことに直感的に気づいていたので
フレットがないヴァイオリンでは
ヴァイオリン独自の音程の取り方があると
ずっと思っていました。

ところが
世間の人はそういうことは少しも
疑問には思わないことに驚きました。
周りの人々はこのような話には耳も貸さず、
ヴァイオリンの先生でさえ
音程を取るのにチューナーやピアノで確認
することを勧めているのです…

何のためにヴァイオリンには
わざわざフレットがないのか?
フレットがないから不便なのではなく
フレットがないのは必然だからと思えば
自ずと答えが見えてくるはずです。

チューナーやピアノで
いちいち音程を確認するくらいなら
指板にフレットを付けておけば済むことです。
しかし長い歴史の中でそうならなかったことには
深い意味があるように感じます。
というか
ここにこそヴァイオリンがヴァイオリンであるための
非常に重要な意味が隠されているいるように思えて
仕方ないのです。

ものは正しい使われ方をしないと
本来の性能を十分に発揮できないものです。

ヴァイオリンも正しい使い方ができれば
誰でも美しい音が出せる楽器です。
それはヴァイオリンを始めたばかりの方でも

同様です。

ヴァイオリンを弾く多くの方が美しい音を奏でて
宇宙空間に美しい音が響き渡る未来を想像しつつ。

 

今日もありがとうございます虹ラブラブ