ちょっとブランクが空いてしまったが、あこがれ先生プロジェクトin埼玉で出会った先生の一人に、第一回「先生見本市」で授業を行った西村徹先生がいる。


DVDで見た時も、山間部の小学校に赴任し、特別支援クラスの子供さんと毎日片道4kmの通学路を共に歩いたという話が衝撃的で、ボクもお会いできるのが楽しみだった。


この子供さんと通った日々の中で、先生自身がいろいろなことに気づかされたという。

村の人たちは、先生とその子供さんを見かけると「がんばってね」「気を付けてね」と声をかけてくれるようになり、いつの日か村中の人が西村先生の存在を知ることになった。


そんな中で、西村先生が中村文昭さんの講演会を企画したことがある。

「こんな山間部で人が集まるんかいなぁ」と文昭さんも不安だったようだが、会場は満席状態。

講演が始まる前の喫煙所で、文昭さんは地元のおじさんからこんな話を聴いたという。


「中村文昭さんっていう人のことは、ようしらん。

ただ、あの西村先生が『ええ話をする人や』っていうんやから、来てみただけや」


本人目の前にして、そんなことを言っちゃうおじさんもすごいけど、「あの人が言うなら」っていう理由だけで人を集めるって、どんなすごい先生なんだと文昭さんも感動したようだ。

「誰が言うか」が大事とは分かっているが、姿勢で導くっていう在り方はまさに教育者の鏡だと思う。


ただ今回、西村先生が愛にあふれる教育者になった原点を知り、「ほぇぇ」とうなってしまった。

なんと西村先生が小学校を卒業するときの校長が、あの東井義雄先生だったのだ!!

東井義雄先生を知らない方もいると思うが、とにかく慈愛に満ちた指導力の先生であり、あの森信三先生が「教育界の人間国宝」と称したくらいの教育者。

ボクもその著書を読むときは、ついつい背筋がピンとなってしまう。

東井義雄「こころ」の教え/佼成出版社
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もちろんボク自身は、本の中で描かれる東井先生しか知らないわけだが、なるほど改めて読み返してみると、西村先生の実践されていることは東井先生の生き方を継承していると言えるだろう。
やはり子供の時に、どんな先生に出会うかっていうことは重要だと再認識させてもらった。