ボクの場合、大体3年周期で大河ドラマにハマっている。
理由は単純、描くテーマが幕末だからだ。
「新撰組」(2004年)、「篤姫」(2008年)、「龍馬伝」(2010年)、そして今年の「八重の桜」
幕末マニアはボクのまわりにも多いけれど、興味のない人たちにとっては、この時代の人間関係や敵味方の立ち位置が込み入っていて、分かりにくいことこの上ないだろう。
尊王攘夷、公武合体、佐幕、倒幕と、色々なイデオロギーで無理にくくろうとするのが、余計に混乱させる原因になっているようにも感じる。
それよりは、一人一人の生き様を見ている方が、ずっと分かりやすいし面白い!!
でもドラマとして描く場合は、敵味方の対立軸を強調しないと、話がややこしく見えてしまう。
3年前は、龍馬とその仲間たちにとって敵だった会津を悪役に見立て、今回は時代に流されてしまった会津を悲劇のヒーローに見立てて、薩摩長州の新政府軍が敵役だ。
もちろん会津戦争の結末は、ほとんどの人が知っているわけで、それを思いながら見入ってしまうと、活き活きとたくましく生きる会津の人たちの姿が哀しく見えてしまうのだ。
ましてや会津は、ボクの大好きなつかささんや、若ジイ、大河原先生、そしてはせがわいさお先生の故郷であるから、余計に感情移入してしまう。
以前、会津出身の方と飲んだ時に、お店の人に「おすすめの焼酎は」と聞いたところ、薩摩の芋焼酎の銘柄を勧められた。
「鹿児島で作った酒なんか飲めるか!!」と、冗談とも本気ともつかない切り返しに、「あぁ、まだ会津戦争のことを許せていないんだなぁ」と感じた。
同じようなことをボク自身も体験している。
滋賀の彦根の方と名刺交換をした際に、ボクの住所を見て相手の方の表情がこわばった。
「稲葉さん、茨城なんだ。まぁ、水戸じゃないからいいか・・・」
最初意味が分からなかったが、彼曰く
「彦根のヒーローといったら井伊直弼。桜田門外の変でクーデターを起こした水戸の連中は、オレにとっては敵」ということらしい。
いずれも150年近く前の出来事なのだが、自分たちのDNAは、確実に先祖が体験してきた歴史の思想を受け継いでいるんだなぁと思ってしまう。
そんなわけで、今年の日曜日の夜も、なるべく8時には家に帰る癖をつけているのだ。
しかし役者さんたち、会津弁が上手い人とヘタな人のギャップがすごいなぁ(笑)