歴史上のどんな出来事にも、プラスの面とマイナスの面がある
歴史の勉強は、その出来事をどうとらえるかという視野を広げるため
白駒妃登美
前回書いた小田島さんは、今でこそ「日本人という生き方」という本を書き、日本人の素晴らしさと誇りを説いてくれているが、実は日本的な考え方が嫌いだった。
だから様々な科目の中でも、英語の教師になったのかもしれない。
同じように、日本的な考え方が嫌いで、国際線のアテンダントになったのが白駒妃登美さんだ。
彼女の話の中によく出てくるのが、「江戸時代が嫌い」という話。
確かに、歴史の教科書に出てくる江戸時代のキーワードは、一見閉鎖的に見えてしまう。
贅沢を禁止するお触書が何度も出ているし、鎖国で外国との交流を禁じたり、厳しい身分制度があったり、五人組によって自由を縛り付けていたり・・・
規則で雁字搦めに庶民を縛り付けるイメージしか湧いてこないのだ。
しかし、冒頭の言葉にあるように、裏を返せば江戸時代は平和な時代だったと言える。
何しろ徳川が政権を執った260年の間、外国との戦争はないし、国内でも大きな内乱はほとんどない。
ヨーロッパが他国との戦争に勝つために、科学技術の開発に力を入れていたころに、日本にはその必要性がなかったのだ!!
もっといえば、当時世界有数の都市だった江戸の町では、ほとんど犯罪がなく、治安が維持されていた。
しかも100万人の都市の犯罪を取り締まる警察機構は、たったの30人で構成されていたらしい。
それでも女性が一人旅できるほど、平和で安全な時代だったのだ!!
五人組制度で互いを監視することが、人様に迷惑をかけないという意識に拍車をかけたのだと思われる
贅沢を禁じるお触書が何度も出ているということは、庶民が限られた範囲の中で、おしゃれやグルメ、エンターテイメントを楽しんでいた証拠
そう、妃登美さんだけでなくボクも勘違いしていたが、実は江戸時代は庶民が生活を謳歌できた時代だった可能性が非常に高いのだ。
すべての出来事は、今のために必要だったことばかり
無駄なことなど一つもない。
現代史で考えても、金融バブルがあったからこそ、本当に価値あるものに気づくことができる。
妃登美さんの話を聴くと「今を嘆く必要はない」と教えられているように思うのだ。