印鑑を押すときは,自分または自社が不利になるときに押します。
不利になるとき押す印鑑を他人に預けてはなりません。
この小学生でもわかる理屈を守らず他人に預け失敗する社長が後を絶ちません
二条彪
二条先生のメルマガの中には、ハッとさせられる話がいくつも出てくるが、この話だけは「え、それって常識じゃないの?」と思ったのものだ。
っていうのは、社長(親父)と一緒にシゴトをしたときに、最初に教えられた話だったからだ。
「会社の実印っていうのは、無限の効力があるんだぞ。
だから身内以外には絶対に押させるな!!」
あたりまえだと思っていたことだが、現実には違う場合も多いらしい。
例えば、小切手や手形を発行する時
どんなに忙しくても、社長もしくはお袋が実印を押すのが、ぼくらの会社のルールになっていた。
しかしながら、社長が「忙しい」とか「面倒くさい」という理由で、経理担当の事務員さんに実印の管理を任せている企業さんも多いらしい。
最初は社長の言う「無限の効力」の意味を、深く理解していなかった。
ただ実際には印鑑を持ち逃げされ、手形や小切手を乱発されて、会社が立ち行かなくなった話も多い。
印鑑を預けるということは、「打ち出の小槌」を預けるのと同等の意味があるのに!!
そんなわけで、ボクも実印を入れているカギを持っているし、実際に押す機会も多い。
ただ二条先生の冒頭の話を聴いてからは、言われるがままに押すのをためらうようになったことがある。
いつだったか、某金融機関の営業マンが来て、印鑑を押してくれと書類を差し出した。
「すみません、なぜ私の印鑑が必要なのでしょうか?」
人としてあたりまえのような質問をしたつもりだったが、その営業マンは
「形式的なことですから、あまり気にしないでください」という、かみ合わない答えを出してきた。
途端に腹が立って、文句を言わせてもらうと、翌日に支店長が一緒に来て丁寧な説明をしてくれた。
100%納得できる話では無かったけど、概ね理解できる話だったので、素直に押させてもらった。
納得のいかない書類に印鑑を押すのは、今でも抵抗がある。
偏屈な経営者と思われても、それはそれで結構
先祖代々続く掟を守ることの方が、ボクにとっては大事なことなのだ!!