昔の人は、絶対に電車の中で化粧はしなかった。
お化粧は私事だからである。
私事は公の場では控えることを、日本人は「慎み」として守ってきた。
その公の心がなくなってきたから、「誰に迷惑をかけるわけでもない。別に化粧してなにが悪い」というふうになってしまった。
その子供たちが、十年、二十年、三十年と歳をとって、突然悔い改めるとは思えない。
きっとおばあちゃんになっても、電車の中で化粧をしているだろう。
上甲 晃「歳をとるほどに志」
- 歳とるほどに志/五月書房
- ¥1,575
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上甲晃先生のお名前は、以前から聞いたことがあったが、お話を聴いたことはないし、著書も読んだことはなかった。
先日立ち寄った本屋さんで、衝動買いして読んでみたが、もっと堅苦しいお話と思いきや、この本はすごく読みやすい内容で、一気に読んでしまう面白さだった。
そこで紹介されていたのが、この「公の心」の話。
おばあちゃんたちが、電車の中でルージュをさしたり、つけまつげをつけたりする光景は、確かにイメージしにくいものがあるが、先生の予測は、近い将来ありえる話だと思う。
っていうか、先日ファインディングジョーを観に行った帰りの電車の中で、おばあちゃんとまではいかないが、それに近い光景に出くわした。
夕方の常磐線、これからお仕事(!?)に向かわれると思われる、アラフィフとおぼしきお姉さんが、ボクのとなりで、手鏡を見ながらビューラーを使い始めたのだ!!
ボクは本を読んでいたので、あまり気に留めなかったが、やっぱり違和感を感じる
年齢はこの際どうでもいいとして、やっぱり「はしたない」女性を見ると、あまりいい気持ちはしない。
一つだけ、嫌いな女性のタイプをあげるとしたら、間違いなくはしたない女性だ
言い方を変えるなら、お行儀の悪い女性は、どんなに可愛くても嫌いになってしまう。
公共の場所で、平気でゴミを散らかしたり、
スカートをはいてるのに、足を広げて座ったり、
食事のマナーが悪く、歩きながらモノを食べていたり・・・
うちの長女も小学校2年生になり、お兄ちゃんたちの影響で育ったため、時々やんちゃな男の子のようなお行儀の悪い言葉遣いや、行動をとったりする。
ボクがその場で気づいたら、そこは厳しく叱る。
男っぽい気質は大事だが、まずはお行儀よい姿勢を意識することが先だからだ。
「はしたない」は、漢字で書くと「端ない」になる。
慎みや、礼儀や、品格が、揃っていないから、端ないということなのだという。
たとえ経済的に窮していても、一番失ってはいけない心なんじゃないだろうか?