(昨日の続き)

15年前に、我々の住む地域の中学校に、とても情熱的な女の先生がいました。

「生きる力、命の大切さを体験できる修学旅行をさせたい!!」

まわりの人たちに対して、一生懸命働きかけた結果、彼女の思いは実現する一歩手前まで来たのですが、一番理解していただかなければならない「保護者」の壁に当たってしまうのです。


先生 その536


O先生が保護者の人たちを前に語り始めたのは、「何故広島に連れていきたいのか?」ということよりも、「何を目的に修学旅行に参加させたいのか?」という話でした。


原爆資料館で、被曝された方の体験記を聴き、命の尊さや戦争の愚かさを知ってほしい。

(当時震災から日が浅かった)神戸の街から、復興のエネルギーを感じてほしい。


そこに、当時の校長先生が、O先生の思いをフォローするように、自分の思いを語ってくれたそうです。


「京都や奈良がダメというわけではない。

ただ、この街の本当の魅力を感じるなら、もっと大人になってからのほうが、彼らの感性に響くはず。

私たちは修学旅行を通じて、15歳の今しかできない体験をさせたいんです」


すべての保護者が理解してくれたわけではなかったようですが、それでも全員参加する形が整いました。

中にはO先生を誤解していたことを、わざわざ詫びにくる親もいたといいます。


「大事なのは『何のために?』という思いを相手に伝えること。

学校という社会では、『今までと同じ』ことを変える時に、方法だけ変えてもわだかまりが残るから」


残念ながら、この広島・神戸の修学旅行は、校長先生が変わったと同時、元のスタイルに戻ってしまったようですが、子供たちには相当強烈な印象が残ったようです。

やんちゃだった女の子が、被曝された方の体験記を聴いて涙を流し、不登校気味だった生徒が、学校にちょっとずつ通えるようになったとか・・・。

O先生が伝えたいメッセージが、ちゃんと生徒たちの心に響いていたようです。


学校やPTAは「去年と同じことを同じようにやればいい」という風潮が強い社会です。

それはそれで、すごく楽なんだけど、誰もが疑問視していても改善されないこともたくさんあります。

疑問に感じた時に大切なのは「何のために?」「誰のために?」という目的意識。

ボクも常にそこを意識しながら、挑戦していきたいと思います!!