曇天のもとで始まった運動会でしたが、案の定雨が降り始めてきました。

お昼頃にはピークを迎え、このまま止まなければここで中断という状態になってきたのです。


先生 その184


結局雨は、降ったり止んだりの繰り返しだったのですが、グランドはドロドロになり、滑りやすくなって危険な状態です。何か手を打たなければなりません。

「会長、役員の皆さんの力を貸してください」


当時、体育主任だった中村先生 はボクに呼びかけました。

乾いた砂をまいてグランドを整備して、少しでもコンディションを戻そうという試みです。

子供たちも、ソーラン節や組体操を「やりたいやりたい」と大騒ぎ。僕らの気持ちに火が灯りましたメラメラ


「子供の競技がある親は休んでいていいから、手伝える人はみんな手伝ってむかっ


ボクと櫻井さんで、本部席にいた役員さんたちに呼びかけると、なんとその場にいた全員が立ち上がり、スコップや一輪車を持ってきてグランド整備に参加してくれたのです。

それを見ていて、家族と一緒に観覧していた役員も全員集まってきました。

それだけでなく、役員の動きに誘発された名前も知らないお父さんやお母さんたちも協力してくれたのです。


その中には、当時子供が3人在籍していたEさんがいました。

彼女と一緒に役員をやるのは2年目でしたが、年上でちょっと愚痴っぽいお母さんだったので、ボクは一歩距離をおいてつきあっていました。


「Eさん、お子さんの出番だから、うちらに任せて観ていていいよ」


「そんなの父ちゃんがいるから大丈夫よ。今はこっちのほうが大事でしょむかっ


またしてもやられましたパンチ!

なんて自己犠牲と責任感が強いんだろう。

もちろん、彼女だけでなく他のお父さんお母さんも、雨に濡れながらも一所懸命にグランドを直してます。

思いは一つ、「子供たちに最後まで運動会をさせてあげたい」

カッコイイ言葉で「心一つに」と言ってしまったボクでしたが、「心一つに」の本当の意味を実感しました。

雨が僕たちの心に火をつけて、心を一つにしてくれたのです爆弾


運動会が無事に終了し、後片付けを終えて全員集合した時、みんなTシャツもズボンも靴も泥だらけ。お母さんたちは、すっかりスッピンの状態に戻ってしまいました。

まさにシンデレラの魔法が解けたようでしたが、みんなの笑顔は最幸に綺麗でカッコよかったです。


「こんなに感動して充実した運動会は初めて音譜

「子供たちの役に立てたことを実感できて嬉しい」


この時は知る由もない言葉でしたが、ナニメンさんの言葉がズバッと当てはまる充実体験でした。

お陰で、この時の仲間とは、未だに友情が繋がっていて、運動会が語り草になっています。


楽しいから一所懸命やるんじゃない、一所懸命にやるから楽しいんだ。


すべては我が師 -ぼくの好きな先生-


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