創業社長さんで「経理や資金繰りが好きだから、得意だから」という理由だけで会社を興した人はいないと思います(会計事務所さんは別ですけど・・・)。
でも、どんな業種でも、資金繰りや銀行交渉を、社長は人任せにしてはいけません。
・・・と師匠・二条彪先生は教えてくれました。
先生 その153
自分の父(社長)が突然倒れたら、自分は社長としてやっていけるだろうか?
そんな疑問をもつきっかけを作ってくれたのは、水海道トラック組合の先輩・やまとや運輸の社長です。
やまとやさんは、ボクより一回りくらい年上の先輩で、ボクが青年部会に参加し始めた頃、色々と面倒を見てくれた方です。当時は彼のお父さんが、現場のすべてを掌握する典型的なワンマン社長でした。
一見大人しそうに見える方ですが、お酒とおねえちゃんが大好きなお茶目な面もあり、研修旅行先では豪快に遊んで「武勇伝」を作ってくれます。
初めて研修旅行で九州に行った時には、財布の中身の違いを見て、格の違いを感じました。
「親父が全部仕切ってるから、オレはあんまり出番がねぇんだよ
」と自嘲気味に話ていた、やまとやさん。お客も仕事も安定し、お父さんも水海道トラック組合で理事長を務めるようになって、充実されていたのですが、8年前にお父さんが急病で倒れてしまったのです![]()
お父さんが入院してしばらくしたころ、青年部会の飲み会があり、久々にやまとやさんと顔をあわせましたが、顔色が悪く元気を失っている姿が、彼の苦労を物語っていました。
彼と同年代の土田専務が「どうした、大丈夫か?」と声を掛けると、今までに聴いたことのないような弱音を吐き始めたのです。
「いや、まいったよ
給料計算も、銀行の交渉も、資金繰りも全部親父がやってたから、どうしていいか分からない。親父にちゃんと教わっておけば、苦労はなかったんだけどなぁ・・・」
寂しそうに呟く彼の姿を見て、背筋がゾクッとする思いがしました。ボクにとっては、人ごととは思えない話だったからです。
親父が元気でいるうちに、教えてもらえることはすべて教えてもらわなければ・・・
翌日、ボクは社長にお願いして、財務・経理に関することを教えてもらい始めました。
まずは「会計士さんや銀行さんと対等に会話ができるようになりたい」というのがボクの目標でした。
二条先生は「社長が財務・経理を把握するのは、自分の身体の状態を把握するのと同じくらいに重要」だと教えてくれます。
何が原因でお金が足りないのか分からないのに、ただ「金が足りないから融資してくれ
」と言っても銀行はお金を貸してはくれません。
会計士さんは、お金の流れを分析してくれるけど、社長の代わりにお金を出してくれるわけではありません。
すべては社長が自分の会社の財布がどうなっているのか把握していることが前提なのです。
倒れてから1年後に、やまとやさんのお父さんが亡くなられました。あれから7年、やまとやさんも今では貫禄のある立派な経営者です。
今日、ボクが会計士さんや銀行と普通に会話ができるようになったのは、やまとやさん親子がきっかけを作ってくれたお陰さまなのです。