会社の中で、ボクはこれから後を継いでいく立場の人間ですが、PTAの世界では、昨年後を引き継いでもらう経験をしました。でも、一番有難かったのは、後を継いでくれる人がいたという事実です。


先生 その92


ボクのあとにPTA会長を務めてくれたのは、クリーニング業を営むI さんでした。

しかしながら、変則的にしか休めない家業ゆえ、高校生になるお兄ちゃんの頃を含めても、小学校に行ったことのある回数が数えるほどで、運動会も見たことがないという方でした。

しかし、教育に対する情熱は熱く、地域のことにも積極的に参加していて、面白い人だという噂も耳にしていました。


分からないながらも、分からないことを素直に認め、周りの人の教えを仰ぎながら、Iさんは我武者羅にがんばってPTA本部チームを作ってきました。

ボクも運動会を過ぎたころから、必要最低限のアドバイスをする以外は、口を挟むのを止めました。

「もう大丈夫、絶対出来る」という確信はありませんでしたが、頼られた時にはすぐに応援できるように、そばにいるというスタンスにシフトして行きました。


そして今日の卒業式は、彼にとって初めての祝辞という大役がありました。

ボクの時も、原稿作りからドキドキしていましたが、本番の緊張感は半端じゃないです。体育館には卒業生・在校生合わせて300人以上の子供、保護者や先生たちを入れると500人以上の人前で、壇上に立って挨拶するわけですから、緊張しないわけがありません。

ましてや彼は、お子さんの卒業式に出席できたことが無いのですから、未知の世界に対する不安は相当なものだったと思います。


今までのI さんのパターンなら「稲葉さん、どうしましょう?」と電話かメールで相談があったのですが、今回は自分のことで精一杯で、相手にする余裕がありませんでした。

そしてI さんの出番、震える手で原稿を読む姿には、熱い「誠意」を感じましたメラメラ以前話した、産婦人科医の陳先生の話をベースに、「命を大切に」「両親への感謝」を、卒業生へのメッセージとして伝えてくれました。ボクの時は、ちょっと暑苦しい話になっちゃったけど、I さんはハートウォーミングな話し方だったので、子供たちには、より伝わったのではないでしょうか?


式典が終わり、Iさんとお会いして、お互いを褒めたたえ合いました。


「必死で考えたら、自分の言葉で挨拶ができましたよニコニコ。ありがとうございます」


もう、これで本当に大丈夫。ボクの後継者は最幸のリーダーとなって、先生や保護者の人たちを元気にしてくれることでしょう。


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子育て中の人も、そうでない人も、笑えて面白いこと間違いなしです。

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