我が社では、今年の10月から、「提案プロジェクト」という制度を開始しました。
従業員さんたちが、「1ヶ月につき1人1件を目標に、何か仕事に関するアイデアを出していこう」という趣旨で始まりました。提案されたアイデアは、審議の上で表彰します。
このような手法を取り入れている会社は多いと思いますが、創業40年にして、初めての試みです。
実はこのプロジェクトの導入を、個人的には躊躇していました。
もちろん、従業員さんの声を聴くのは大切なことです。でも、私は「愚痴や文句ばっかりあがってくるんじゃないか?」と疑心暗鬼になり、怖くて実行できませんでした。当時の私は、自分に自信がなく、従業員さんたちに不信感をもっていました。
最終的には、提案プロジェクトを発案した金子部長から、「早く始めようよ!」とハッパをかけられて、気持ちの整理がつかないうちにスタートしました。
しかし、二条先生のセミナーでのメモや、中村文昭さんの本を読み返し、「素直になること」「頼まれごとは試されごと」という言葉を、それこそ「素直」に落とし込んで、「どんな意見も受け入れる」と腹を決めました。気持ちの切り替えは早いのです
徐々に提案用紙が集まってきました。初めての試みですから、「何を書いていいかわからない」という従業員さんもいたようですが、そこそこの件数が集まったので、審議委員会を昨日行いました。
集まったメンバーは、金子部長がランダムに指名した4人。でも、かなり前向きな議論を交わせそうなメンバーを集めました。
「頼まれごとは試されごと」です。会議のルールを「他の分野の話という認識ではなく、自分の立場で考える」「自分の価値観に合わない話でも、まずは素直に受け入れる」という2つに決めました。
会議の中身は語りきれませんが、4人とも見事にルールを把握し、17件のアイデアに対して3時間たっぷりかけて会議ができました。喫煙者の3人が「タバコ吸いたいと思う暇もなかったですよ」と言っていたのが印象的でした。本当にありがたいことです。
ナニメンさんが言っていた「知ってる山」と「できる山」は違うという話。今回の話で、少しだけ「できる山」を登れたような気がします。あんなに疑心暗鬼だった会議なのに、次に会議の日をワクワクしながら待っています!