森林総合研究所関西支所というところの研究発表会に行ってきました。

「変わりゆく里山 -森林の健康という視点から-」
という表題で、今どんぐりの木の病気が急速に広がってきているので、
その現状と対策、それをとりまく社会的環境について講演がありました。

1990年頃から、主に日本海側の森で、
ミズナラやコナラなどのどんぐりの仲間の木がどんどん枯れています。
緑の山にぽつぽつ赤い枯れ木が目立って、毎年増えています。

3年程前にようやく原因がわかって、
カシノナガキクイムシという体長4mmほどの昆虫が
木の中に穴を掘って、そこにカビのような菌を育てていて、
その菌のために木が水を吸い上げられなくなり、枯れてしまうのです。

被害が広がっている理由はいろいろ考えられるのですが、
その一つに、森林が利用されず放置されたり、
管理の仕方が変わってきたことがあげられるようです。

今まで大きく育てられることなく炭や肥料などに切っていたところが
放置され、木が大きくなっったこと、
そして、すっきりした森にするために低木を切って高木を残したことで、
虫が好きな大きくて明るい木が増えて、病気になってしまったという
つながりがあるとのことです。

今ようやく里山などに森林整備の手が入ってきましたが、
森を管理していくってとても難しいことなんだなぁと改めて感じました。

興味のある方は「カシナガ」で検索してみてください。

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