あまりの分娩の壮絶さに
検診の記憶など風前の灯である
が
ここまで残してきたのだ
なんとか思い出さねば
予定日は何事もなくぬるーっと終わってしまい
なんの兆候もなく肩透かしを食らう
翌日が最後の検診日で
帰ってきていた夫は検診への付き添い後一旦赴任先に戻る
予定であった
ところが
新幹線が止まった
赴任先には車を持っていっていて
この度は車で帰ってきていた
予定日以降はもういつなにが起きるのか全く見当がつかないため
車は置いていき 新幹線で赴任先に戻るつもりだった
産気づいても新幹線ならぴゃーっと帰って来れるし
という算段
なのに
新幹線が止まった
そろそろ出てこないと
おとーさんに会えなくなるかもしれないよ
おとーさん一旦あっち戻っちゃうんだってよ
いつまでも胎内におれと言い聞かせられていたのに
今度は連日こんな呪いの言葉を唱えられ続け
胎児もうんざりしたことだろう
でも
まさか新幹線を止めるとは恐れ入る
まだ出ていけないのなら新幹線を止めればいいじゃないの精神
さらに
まあ新幹線はそのうち復旧するだろ
とりあえず検診に行くかとなった間際に
わたしの便意が発生
トイレ行ったら 血が出ていた
ケツから‥ではないっぽいな
まじかよ これいわゆるおしるしってやつでは
ちょっとお!血ぃでたあ!
と大騒ぎして夫を呼び 形跡を見せる
我ら夫婦には恥という言葉は存在しない
その瞬間
夫の顔が固まって そのままベランダにタバコを吸いに行った
無言で
とまあ検診日の朝に こんな騒動があった
さてふわふわと検診
いつものように尿検査だが何せ出血らしきものがあるので
このまま採尿していいんか?
との疑問が生じたため産科に寄ってその旨を伺う
問題ないデスー
とあっさり許可が出たので採尿
産科受付後 助産師さんからお呼びがかかる
いつだかの検診の際にも少し話たことがある手練れの助産師さんだった
なかなか顔を出せずにごめんなさいネー
そろそろ出産カナと思ってェー
とのこと
血出たのでそろそろっぽいですうー
おっかねーですうー
アラ!それじゃあほんとまもなくネ!
お待ちしてますからネー
みたいな会話でおわり
一応わたしはけっこうレアケースであろうことから
助産師さん界隈では気にはかけていただいているようだった
20分後 NST
胎児は前回同様熟睡中のもよう
何度か起こされるもすぐまた寝る
新幹線止めて疲れたのでは
とは夫談
10分後 検診&内診
胎児の体重はもう3,000g付近ではとのこと
うそだろそんななるか?
まあいい
おしるしが出たってことでもう待ったなし状態ではあるが
内診で診た感じではまだ指一本分なので今すぐってわけではなさそう
かと言って急に始まることもあるのでなんとも言えない
みたいな見立てであった
夫は仕事も気になるようで まだ赴任先に戻るかどうかをそうとう逡巡していたが
さすがに諦めたもよう
このまま有給をとり育休に突入することを決断した
結局新幹線も終日動くことはなかった
この度の検診で渡されたエコー画像にはいつもの数値の記載がなかったため
サイズデータがない
気づくのが遅くてくれよとも言えんかった
この後の流れとしては
陣痛が始まったら電話して受診
始まらなければ予定通りに誘発入院
誘発の際は
棒を入れたり風船入れたり
誘発剤使ったり
んでもって陣痛が強めに出る傾向がありますヨ
などと恐ろしげな説明を次々と繰り広げる若い女医さん
それらが記載された同意書を渡されて終了
この時はまだ分娩の真髄を知らない
無知で愚かなわたし
なんかいろいろ入れられたりすんだって
おっかねーからほんとそろそろ出てきてちょ
みたいなノリで舐め腐っていたわけだが
今なら言える
おめー
笑っていられるのも今のうちだからな
まじ 飛ぶぞ