今日は雨もよい。
外はかなり寒い。
いつもの景色もやや煙って見える。

生き馬の目を抜くといわれる金融業界の喧騒もこことは無縁。
いたって静かな一日がまた始まった。

電話もならない。
基本的に誰も仕事らしい仕事はしていないのだ。

夜、六本木のカラオケレストランで、遅ればせの新年会。
まずは、オーナーが一曲。
広東語…だ。
オーナーはじめ幹部の子弟が加わっての一通りの宴会。

私は適当に流した。

最後におまけがついた。
宴が終わっていざ清算というとき、なかなか済まない。
同僚を待つつもりでうろうろしていると、なんと、オーナーが財布をなくしたという。絶対に持ってきてコートと一緒にかけておいたはずだという。
店を相手におおもめ。
取り巻きの一人が、店の若い店長相手に声を荒げている。
「こちらは、大変な資産家なんだ。どうするつもりだ!?」
カードをとめる手続きにあたふたする。警察まで呼んだ。
ほんとに警察が来た。
事情聴取をしていると、誰かの携帯が鳴った。
秘書が言う。「オフィスのデスクの上にありました」

まあ、お決まりの結末だが、済まなそうに頭をかいているオーナーの姿が、
可愛的。

終電まで足止めを食ったこっちが、いい面の皮だ。
今日もまた一日が始まった。
六本木のとあるオフィスビルの中。
窓からはMビルの群れが見える。
夜来の雨も上がって暖かな陽射しがさす。
金色の招き猫の腕が、おいでおいでのように絶え間なく前後に揺れている。
なんてのどかな光景だろう・・・。
しかし、その実態は・・・!?

日本のマネーをターゲットにして東京にヤッテキタ、
謎の香港系外資の投資会社。
その可愛的日常・・・。