2023年12月議会で行った、私の2つの一般質問の詳細ご報告ですニコニコまずは第1問目からです!

※やり取りは抜粋&要約しています。お母さん榎本 お父さん担当部長等 おばあちゃん市長 としてご覧ください。

 

≪一般質問テーマ①≫

加齢性難聴者の聞こえを保障する市の取り組みを 

 

WHOの報告によれば、世界の65歳以上の人口の30〜40%にあたる人たちが、中等度以上の難聴を抱えています。難聴は加齢がリスクの一つとなるため、日本でも団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、難聴の患者数は1000万人を超える推計です。今は65歳から74歳では3人に1人、75歳以上は約半数以上が、難聴に悩んでいると言われています。


「難聴によって、家族や友人との会話がかみ合わない」「外に出ることが億劫になった」「後ろから車が来ていたことに気付かなくて危ない思いをした」など、“生活の質(QOL)“が低下します。また近年多くの研究成果から、難聴が認知症やうつ病の発生に深く関係していることが明らかとなり、難聴にならないための予防や、難聴が起こってしまった方々への治療や対応は、現代社会において非常に重要な課題と言えます。


昨年9月の私の一般質問で、情報保障の観点から、難聴者に対する市の取り組みについて取り上げました。障害者手帳を持つ方へは、補装具購入等に係る助成制度もありますが、加齢性難聴者への助成制度はなく、3人に1人が高齢者という蓮田市の現状をふまえれば、フレイル予防・介護予防、そして認知症予防の観点から、まだまだ改善の余地があるなと感じました。
加齢による聴力低下はゆっくりと進行し、自覚しにくいのが特徴ですので、市が積極的に周知啓発を行い、早期発見と対応につなげられるよう質問しました。

 

1加齢性難聴者における
市の現状と認識について

お母さん市内対象者数の見込みは?

お父さん市では健康状態を確保するため、40歳以上の方に検診事業を実施しているが、聴力に関する質問や医師の診断検査の項目はないため、加齢性難聴者の数は把握していない現状。

 

お母さん難聴者の早期発見のために、自治体の健診項目として、聴力に関する項目を加えることは効果的では?

お父さん市で実施の特定健康診査・後期高齢者健康診査は、生活習慣病などに着目した健診であり、その項目は国で統一されている。市としては、今後も国の動向を注視しながら研究していきたい。

 

お母さん難聴に対する市民の声や相談は?

お父さん前回の榎本議員の一般質問もあり、耳の聞こえや補聴器の利用についてアンケート調査を実施した。
日常生活での会話の聞こえについて」と、「補聴器の使用を問うもの」2問の回答を求めた。対象者は、令和4年に70歳になられたかた(昭和27年1月1日~昭和27年12月31日生まれのかた)および令和5年度の特定健康診査受診者、65歳から74歳までのかたで、介護予防のための「基本チェックリスト」に回答いただく際のアンケート調査として実施。


70歳になられたかた825名のうち、488名のかたにご回答いただいた。その内、
「会話の聞き取りができているかた」は420名、回答者の86.0%、
時々聞き取りにくいかた」は56名、11.5%
聞き取りができていないかた」は12名、2.5%だった。


「時々聞き取りにくい」または「聞き取りができていない」と答えたかたのうち、
補聴器の所持・使用については、62名から回答があり、その内、
「持っていて使用しているかた」は8名、12.9%、
持っていないかた」は52名、83.9%
持っているが使用していないかた」は2名、3.2%
だった。

65歳から74歳のかたからは、802名のかたにご回答いただいた。その内、
「会話の聞き取りができているかた」は656名、81.8%
時々聞き取りにくいかた」は83名、10.3%
聞き取りができていないかた」は63名、7.9%
だった。


「時々聞き取りにくい」または「聞き取りができていない」と答えたかたのうち、
補聴器の所持・使用については、98名から回答があり、その内、
「持っていて使用しているかた」は20名、20.6%、
持っていないかた」は74名、75.5%
持っているが使用していないかた」は4名、4.1%
だった。

補聴器を持っていない理由は、いずれの調査も「必要がない、生活に支障がない」と回答するかたが大半を占めていたが、高額であることを理由に挙げたかたが両調査を合わせて9名いた。少数だが、市民の声としてあらためて認識した。

また、一方で補聴器を持っているかたからは、「高い補聴器を買ったが、人の言葉を聞き取るのは難しい」との声もあった。


さらに、補聴器を持っていても使用していないかたからは、

「(使用が)面倒・不便」、「使用していても効果がない」との声や「テレビを見るときに使う」、「大事な打ち合わせの時に使う」など、限定的な場面のみの使用の回答があった。
聞こえについての相談は、年に数件程度受けており、まずは病院受診していただくことを勧めている。


お母さん難聴に起因する暮らしや健康の問題は?

お父さん2019年にWHOが公表した「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」の日本語版によると、「聴覚障害は機能的能力と社会的及び感情的な幸福感を衰弱させる。聴力の低下は、個人のコミュニケーション能力に影響を与えるため、欲求不満、孤立感、孤独感を感じることがある」との記載や、「難聴があると認知症のリスクが約2倍になる」という分析結果が示されている。

 

お母さんWHOのガイドラインでは、「高齢者には、適切な時期に難聴の診断と管理をするために、聴力スクリーニング及びその結果に基づいた補聴器の提供」を推奨している。
このガイドラインを具体化する施策が重要と思うが、いかがか。

お父さん市としては、まず聞こえの低下が及ぼす生活の質への影響などの市民啓発を行い、「聞こえのセルフチェック」を実施することにより、自身の聞こえの問題に気付いてもらうことを考えている。普及啓発により、適切な時期の診断や必要なかたの補聴器の利用につながるよう取り組むことを検討していく。

 



お母さん加齢性難聴者に対する現在の支援策は?

お父さん難聴について相談があった際には、各課窓口や地域包括支援センターの相談業務において対応している。また、高齢者の聞こえについてのアンケート調査を引き続き実施し、現状把握に努め、調査の内容を検討しているところ。

 

 

2今後の取り組み

お母さん難聴の早期発見、対策の重要性についての啓発は?

お父さん加齢による聴力の変化はゆっくり進むため自覚がなく、補聴器の装用のタイミングが遅れてしまうことがある。適切な聞こえを維持して脳を活性化し、コミュニケーションを楽しみ、社会に参加することが認知症予防にもつながるため、難聴の早期発見や対策についての市民向けの啓発は重要。

市としては、ホームページやチラシなどに「聞こえのセルフチェック」や補聴器の利用方法等についての記事の記載や、健康相談・健康講座などの機会を捉え、啓発していくことを検討。

上差しいろいろな講座が複数回実施されているようですので、その機会を捉えて、チラシ配布などの啓発や相談対応は、ぜひ進めていただきたいと思います。

またその際には、なぜ「聞こえのセルフチェック」が必要なのか、という部分も合わせて掲載し、聴力低下の早期発見・早期対応の重要性の認識を深めたり、医療機関の受診を奨励していただければと思います。

 

お母さん市内医療機関との連携は?

お父さん難聴は、病気が原因で治療により改善するものもあるため、早めに医療機関を受診する必要がある。また、加齢性難聴の場合は、聴力検査で難聴の程度を調べ、補聴器の適応について判定し、補聴器購入後も定期的な調整が必要となることから、医療機関とのつながりが大変重要。市民への啓発や早期の受診勧奨なども含め、市内医療機関との連携のあり方については、今後研究していく。

 

お母さん加齢性難聴者の聞こえの保障をするためには、よりよい制度を作るために、医師会などから意見を聞いて、相談・検討することが大切。まずはそうした働きかけを行なってはいかがか。

お父さん必要に応じて医師会や専門医などの意見をお伺いすることも検討していく。

お母さん言語聴覚士(※)による相談窓口の設置はいかがか?

お父さん現在、そのような窓口の設置はないが、例えば健康講座や健康相談などにおいて、聞こえについて気がかりな高齢者等が、気軽に相談ができるような機会を提供できるとよいと考えている。現状を踏まえた効果的なやり方について、研究していく。

 

(※)言語聴覚士
声や発音の障害、ことばの発達の遅れ、失語症対応など、小児から高齢者まで幅広く支援している

上差し足立区では「障がい福祉センターあしすと」で、言語聴覚士による「きこえの相談事業」というものを区民に対して無料で行なっています。当事者一人ひとりの生活状況を踏まえた上で、簡易的な聴力測定や補聴器に関する相談に乗ってくれます。
今年4月からは言語聴覚士を増員し、センターまで来るのが難しい方向けに、各地域にある地域包括支援センターへの訪問相談も行えるようになったそうです。

言語聴覚士の知見を行政に活かしてもらうことは、市民の福祉向上に大きな助けとなるはずです。

 

お母さん全国を見ると、補聴器の購入助成などに踏み出す自治体は、2022年末には123市区町村と、ここ数年で急増している。また地方議会ではこの制度を求める意見書採択が今年4月末時点で265の自治体にものぼっている。
さらに、東京都では2019年、区市町村が補助制度をつくれば費用の半分は都が負担することとなり、これを活用して2019年度には9つの自治体だった補聴器の支給や購入補助が、2022年度には18自治体に一気に拡大した。
社会が高齢化の波を迎え、こうした補聴器購入費の助成制度が求められているが、市でも創設してはいかがか。

お父さん県内の状況は、秩父市が令和4年度から、鴻巣市、越谷市、草加市、吉見町、皆野町が令和5年度から補聴器購入費助成事業を開始している。助成額は、鴻巣市が4万円、越谷市が3万円、その他の市町は2万円。対象年齢は、鴻巣市が18歳以上のかた、その他の市町は65歳以上のかた。
今後、助成制度の創設については、引き続き市民の声や県内市町村の実施状況を把握しながら、蓮田市の現状に合った取り組みについて、研究していく。

上差し日本補聴器工業会が実施した2022年の調査によれば、世界の補聴器普及率は、デンマークやイギリスでは半数以上の人が補聴器を使用しているのに対し、日本は15・2%と大変低い状況です。この理由の1つは、欧米では軽度の難聴であっても公的助成が充実していて、補聴器購入のハードルが低いことがあげられます。日本でも補聴器が、歳を重ねてもずっと生き生きと暮らせるための当たり前のツールとなるよう、社会的な整備の1つとして、自治体においては補聴器購入費の助成制度を創設していくことが求められています。

 

お母さん補聴器購入費助成制度は、補聴器費用が片耳で平均15万円と高額なこともあり、全国で広がりを見せてきている。
高齢化率が高い蓮田市にとって、補聴器の利用が進めば、社会参加が促進されることによる孤立・孤独感の減少や、高齢者の認知機能の改善によるいきいきとした暮らしなど、生活の質の向上につながることは、関連各機関の調査からも明らか。

あらためて、市として補聴器購入費助成制度の創設を求めるが、いかがか。

おばあちゃん加齢性難聴者については、本人が聞こえていると思っている方もいらっしゃるので、何度もやりとりが必要、というところもある。この前も要望いただいたが、高齢者についてはやっとアンケートをとったというところが第一歩。もう少し現状を把握しながら、医療機関の方々と相談したり、まずは早くそういう方たちがしっかりした診療を受けることを主眼にしたらいいのではないかと思う。その上で助成制度については、ずいぶん先進自治体も近くで増えているようなので、その利用者数や効果を検証・研究して、検討してまいりたい。

 

後日談

市内に住むご高齢の女性から、私に電話がありました。

「補聴器購入助成制度を進めてくれてると聞きました。

補聴器、欲しいけど高いからなかなか買えない

仲間うちで、

蓮田市ではいつから制度が始まるか聞いてほしいっていうから

私が代表でお電話しました。」

 

私が「まだ市では制度はないんです」と伝えると、

「そうですか。。。早く助成してほしいです」

とのことでした。

 

引き続き、制度創設に向けて取り組んでまいります!!グー