先日お知らせした、議会報告号の“新蓮田”でも、一般質問の概要はお伝えしましたが、載せきれなかったやり取りや、資料などはこちらでお知らせしたいと思います。
9月議会では3つの一般質問を行いました。3回に分けてまとめますので、良かったらご覧ください。![]()
※やり取りは要約しています。
榎本
担当部長等
市長 としてご覧ください。
一般質問テーマ①
社会保障としての国保を守るために
(1)国保の現状と問題点について
国保法に基づく国保の目的とその意義
POINT
国保は「相互扶助」ではなく「社会保障」である
いわゆる「社会保障」とは。。。
貧困、病気、障害、出産、死亡、老齢、失業など、個人の努力だけでは解決できない様々な要因で、生活が著しく困難に陥らざるを得ない問題に対して、憲法25条の『生存権保障』および『社会保障の理念』を実現するために、保険の技術を利用して、経済的補償をするもの
こうした問題は、とかく相互扶助論や自己責任論で片付けられ、どうしても保険税が払えない人に対して、助け合いの制度だから「納めるべき」とか、一般財源から補填するのはいかがなものか、とか言われることがあります。
しかし第二次世界大戦が終わり、新しい憲法のもとで「国保法」は度重なる改正が行われ、旧法から新法へと変わった際には、「相互扶助の精神」という文言は削除され、「国保が社会保障の一環である」という内容に変更されました。国保が社会保障としての性格を強めたということです。そこで、市としてもこの認識があるかを問いました。
あらためて、この国保の目的とその意義とを、再確認する。
国民健康保険は、憲法で定める社会保障制度として運営を行っているもので、医療の給付を行い、生活の安全を図ることを目的としている。
国民健康保険法では、その第1条において、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と規定されており、第2条において、「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする」と規定されている。
市も、国保は社会保障制度である、との認識でした。
例えば貧困は、社会的原因により作り出されるもの、ということが、今から100年以上前のイギリスにおいて証明されており、個人の努力だけでは解決できない病気や失業なども含めた、構造的に起きる生活上の諸問題を、自助や相互扶助に責任を転嫁して、公的な費用抑制を図るのではなく、逆に公的責任をもって、生活の安定・向上を目的に所得再分配機能を強め、地域の経済を安定させる役割を果たすのが社会保障であり、そこが、民間保険とは大きく異なるところです。
国保制度運営においては、この社会保障の社会的原理をしっかりとふまえ、『社会保障としての国保』の役割が果たせるよう、常々取り組んでいただきたいと求めました。
以下、答弁を求める。
法定軽減世帯数と加入世帯数における比率(7・5・2割それぞれ)
所得別滞納世帯数と全滞納世帯数における割合
・100万円未満
・100~300万円未満
・300万円以上
令和元年度における全滞納世帯643世帯のうち、
所得が100万円未満の世帯・・・399世帯、62.1%、
100万円~300万円未満の世帯・・・218世帯、33.9%、
300万円以上の世帯・・・26世帯、4.0%
令和元年度は、所得が100万円未満の世帯だけで滞納世帯率が6割強も占めており、300万円未満の世帯を合わせると9割強にもなるということがわかりました。ほとんどの滞納世帯が、所得300万円未満という現状です。
さらに、日本共産党が、毎年「民生文教委員会」で資料請求してきたデータより、直近3ヵ年の滞納世帯について資料にまとめてみました。(議場配布資料①より)
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滞納世帯のうち、所得300万円未満のかたの滞納率が75%前後にもなるという状況でした。所得が低いほど、所得に占める国保税の負担割合が高く、払えない国保税額になっているという実態がわかります。
(2)埼玉県国民健康保険運営方針(第2期)【案】について
県の運営方針【案】に対する市の意見
国保は、県が3年ごとに決める方針に沿って運営されますが、来年度は運営方針第2期目の初年度にあたるため、現在、策定が進められています。
県の運営方針第2期【案】では、心配される大きな問題が2つあります。
①一般会計から国保特会への法定外繰り入れが、6年後の令和8年までに解消すること、というように期限が明示された
②保険税水準の準統一化(これは完全統一の前段階で、各市町村で異なる「収納率」を加味した統一のこと)を7年後の令和9年に実施する、と期限が切られた
この「期限が区切られたこと」に大きな問題があります。第1期方針では、期限は切らずに“困難が認められた場合には、市町村の実態をふまえた設定とする”という表現にとどまっていたからです。
実は、国の国保運営方針策定要領(ガイドライン)では、保険税水準の統一化について、年次を定めることまでは言及されていません。県は、国の方向性をさらに強化するような運営方針案を出してきています。このままですと、各市町村での「一般会計からの法定外繰り入れ削減」が進行
保険税引き上げ
高い保険税水準での完全統一化につながります。これは大問題
です。
運営方針策定要領には、“市町村への意見聴取”が定められており、その意見はできる限り尊重されるようにすることが明示されている。県から意見を求められているか?また、案に対する市の意見はどのようなものか。
埼玉県国民健康保険運営方針(第2期)(案)については、8月7日付けで県から市に対し、意見の照会があった。内容を確認したところ、運営方針案が、このまま策定となった場合において、蓮田市の国保運営に支障が生じることはないと判断し、意見は提出していない。
一般会計からの法定外繰り入れを削減、しかも期限を切るということは、「社会保障としての国保」に逆行している。「保険税水準の統一化」を進めるのであれば、払える保険税額水準でこそ、統一すべき。もちろん、そのために必要な財源は、本来なら国が抜本的な公的財政支援をすべきだが、市の見解は。
国民健康保険制度は平成30年度より都道府県単位化され、県が財政運営の責任主体となっている。蓮田市としては、他の県内自治体と足並みをそろえ、県に協力するかたちで保険税水準の統一化に向けて、被保険者の負担が増大しないように財政運営を行っていく。
また、国の財政支援についても、これまでどおり全国市長会を通じ、要望していく。
県は市の意見を尊重して、運営方針を定める必要があります。市が国への財政支援を求めるというのであれば、それは大きな国保の問題を認識しているということです。県へ何も意見を言わないという姿勢は、疑問が残ります。
市の国保運営協議会への諮問と議会への説明について(期日、内容等)
県の国保運営方針について、市の国保運営協議会には詳細を伝えているか。そして議会への説明はなされるか。
埼玉県国民健康保険運営方針は、県の策定する運営方針なので、市の国民健康保険運営協議会におきましては、報告の形をとる予定。今後、県の運営方針に付随し、税率の改正等、市の国保運営に影響が生じる案件については、運営協議会に諮問のうえ、進めていく。また、議会に対しては、必要に応じて委員会等で説明する。
県には「国保事業費納付金等算定標準システム」があり、条件設定を変えて、納付金や標準保険料率の算定が可能。市の国保税が上がるのか、下がるのか、また、協会けんぽと比較してどのくらいの差があるのかをシミュレーションしてもらい、それを市の国保運営協議会で資料として提示すれば、わかりやすく、問題が明らかになると考える。そうしたデータの提供を県に求めてはいかがか?
国保財政のシミュレーションにつきましては、さまざまな要素を加味することが必要となっており、容易なことではない。今後、制度改正を検討する際など、必要に応じて県にデータの提供を求めていく。
県の今後の計画では期限が切られ、統一化が現実味を帯びてきています。それによって、ゆくゆく市の保険税額にも影響があるわけです。その時になってからでは遅い、ということもありえます。前もって、市の国保運営協議会で、県の計画はしっかり説明し、意見を聞き、県へフィードバックすることが必要ではないでしょうか。
(3)蓮田市国保財政調整基金とその活用について
財政調整基金の残高推移と現残高
平成26年度末の基金の残高・・・369,829千円
平成27年度末・・・629,934千円
平成28年度末・・・524,992千円
平成29年度末・・・823,654千円
平成30年度末・・・1,173,427千円
令和元年度末・・・1,219,826千円
約12億円![]()
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令和2年度末・・・1,282,030千円(見込み)
今後の基金活用計画
県が、7年後の保険税水準準統一化の具体的な期限を明示したため、その時点で、基金は保険税の引き下げには使えなくなってしまう恐れがある。基金は、被保険者のために使われるべきものだが、準統一化までの間の保険税額の激変緩和に使ったとしても、それだけでは12億円という大きな額を加入者に還元することができないと考える。市として積極的な施策を打つ必要があると考えるがいかがか。
市では今年度、財政調整基金を活用し、全ての被保険者の負担抑制のため、所得割及び均等割を引き下げた。今後も中・長期的な視野に立ち、基金を有効活用することで、被保険者の負担が増大しないよう努めていく。
基金の具体的な活用を提案。
①窓口一部負担金減免&保険税の減免
②人間ドック・脳ドックの補助の拡充
③コロナにかかる「傷病見舞金」の検討、その後「傷病手当金」への拡充&出産手当金の創設(自営業者や個人事業主への所得補償の観点から)
④子育て支援施策としての、子どもの均等割の免除
④についての根拠として、以下の資料も提示![]()
◆世帯に属する被保険者数ごとの滞納率状況(直近3ヵ年)
黄色のセルを見ると、世帯人数が3人から5人、もしくはそれ以上の世帯における滞納率が多くなっていることがわかる。国保は他の医療保険制度と異なり、「扶養」という概念がないため、子どもが多ければ多いほど、保険税額が高くなり、滞納率も増えてしまう結果となっていることがわかる。収入のない子どもにも税金がかかってしまっている、これは明らかに税の在り方として再検証すべきであり、子育て支援に逆行している。12億円もある基金を活用して、子どもの均等割を免除することを、子育て支援施策として進める非常に良い機会である。
日本共産党は、3月定例会の議員提案議案として、この国保の子どもの均等割免除にかかる、市の国保条例改正案を出しましたが、その過程で、およそ年間2000万円強あれば、国保の子どもの均等割免除が実現できることを示しています。
ご提案についても参考にし、今後も中・長期的な視野に立ち、基金を有効活用して、被保険者の補助の拡充が可能かについても検討していきたい。
おかげさまで基金がまあまあ順調なので、これらを見込みながら、改善に向けて努力していきたい。子どもの均等割免除については、当時は子だくさんの世帯だから、逆にそれを入れなければ国保会計は成り立たないという事情もあり、家族の人数に合わせて国保税を納めてもらっていたが、今はもう時代が変わったので、そこも十分考えていきたい。基金のある市町村がどういう形で県が吸収するのか、あるいは市町村にそのままおろしてくれるのか、基金の取り扱いまでは定かでない点が多く、非常に微妙な時期。しっかり情報を捉えながら、蓮田市の国保税加入者の方々が少しでも軽減になるような、また将来にわたって安定になるような、そういう方策を十分に考えていく。
「社会保障としての国保を守ること」は、国保加入者の命と健康を守るのみならず、この国の皆保険制度を維持し、国民1人1人において、憲法25条の生存権を真にいかすことにつながります。
また、今は国保ではなくても、不慮の事故や病気で勤めを辞めるなど、状況によって誰もが国保に加入する可能性があります。
全国市長会からの、国への国庫負担拡充の要望に加え、市においては基金を活用した被保険者への負担軽減策を積極的に展開すべきと考えます![]()
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ハスの大きな葉っぱ


