井上道義&新日フィル 四半世紀後のマーラー3番 | 今夜、ホールの片隅で

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東京在住クラシックファンのコンサート備忘録です。

🔳すみだ平和祈念音楽祭2024(3/9すみだトリフォニーホール)

 

マーラー/交響曲第3番 ニ短調

 

[指揮]井上道義

[管弦楽]新日本フィルハーモニー交響楽団

[メゾ・ソプラノ]林 眞暎

[女声合唱]栗友会合唱団

[児童合唱]TOKYO FM少年合唱団、フレーベル少年合唱団

 

今年の「すみだ平和祈念音楽祭」は、引退が迫る井上道義&新日フィルによるマーラー3番。このコンビのマーラーと言えば、同じトリフォニーホールで行われたマーラー・ツィクルス(1999-2000)で聴いているので、およそ四半世紀ぶり。もっとも例の「転倒事件」のインパクトが強過ぎて、3番も含めてそれ以降の演奏の記憶がほとんど残っていないのだが…。

 

この日の演奏、第1楽章から描線が濃く理路整然とした運び。ただ会場の音響のせいか、サウンドがやや硬く平板で、アンサンブルにあまり広がりが感じられない。第1楽章再現部のシンバルの一撃は3人に増員され、叩いた後も円盤を前に向けたまましばらく動かさない(昨年聴いたカーチュンも最終楽章で増員していたけど、流行り…?)。夢の中から聞こえてくるような第3楽章のポストホルンの音量はばっちり。

 

女声合唱は最初から舞台後方にスタンバイし、第3楽章の終結部で児童合唱とメゾ・ソプラノ独唱が登場。独唱の林さんは女声合唱の中央に位置し、児童合唱はオルガンのバルコニー左右にシンメトリーに並ぶ。照明に若干の演出があり、第4楽章でやや暗くなり、第5楽章で合唱が起立すると明るくなり、第6楽章では客電もやや明るくなったと思うのだが、あれはどういう意図…?

 

第6楽章は最初の弦も、最後のティンパニも体感的に速い。全体的にイマイチ焦点を欠き、何かまとまった感慨が湧いてくるには至らなかったけれど、あくまで個人的な好みによる感想です。

 

★マーラー/交響曲第3番 鑑賞履歴(2014/4~)

山田和樹&日フィル(2015/2/28)

ノット&東響(2015/9/12)

ノット&東響(2015/9/13)

パーヴォ・ヤルヴィ&N響(2016/10/6)

フルシャ&バンベルク響(2018/6/29)

カーチュン・ウォン&日フィル(2023/10/13)