仕組みを組織へ浸透させるマーケティング | 馬場と私の10の約束。

仕組みを組織へ浸透させるマーケティング

マーケティング論者として有名なセオドア・レビット氏ニコニコ

彼は、企業は商品ではなく商品が提供するベネフィット(恩恵)に

焦点を当てるべきだと主張していた。


「レビットのねじの穴」という有名な話がある。

多分、ご存知の方も多いはず。

マーケティングではよく持ちだされますからね。


お店にドリルを買いに来た顧客は

「1/4径のドリルを買いたいのではなく、1/4径の穴が欲しいのだ」

という話である。


顧客がドリルではなく穴が欲しいという真のニーズを

理解できたなら、「1/4径の穴があいた板を売りましょうか?」

と提案する方が顧客にとって、魅力的かもしれない。

顧客の立場に立ち、商品から得られるベネフィットに焦点を

当てる考え方は、組織に様々な仕組みを導入する際に

おいても有効である。


ある企業では、各事業部へ大幅に権限委譲を進めていた。

そのため、各事業を評価するためにバランスド・スコアカードを

導入したが、受け入れられなかった。


しかし、事業戦略を自由に記載し、

使用できるようにルールを変更した途端に

各事業部で勢いよく作成され始めた。

事業部がやりたかったことは"自分たちの戦略を考え、

共有すること"だったのだ。


また、ある企業では、製品別損益の正確な把握を

目指した管理会計システムの見直しについて承認が

されない状態が続いていた。

部長層に、会計上は扱われない予想情報を持ち寄り、

最新の損益予想を共有することを追加で提案したところ

即日快諾を得た。

部長層がやりたかったことは、

"妥当な意思決定を出来る限り早くすること"だった。


大きな欠品騒ぎを起こしてしまった企業では、

欠品発生時の体制や連絡ルール等を精緻に整備したが、

現場の反応は冷ややかだった。

ルールを簡素化し日常的なコミュニケーションルールを

加えたところ、好意的に受け入れられていった。

現場がやりたかったことは

"市場変化の兆しを共有すること"だった。


仕組みが浸透しない状況では、

ベストプラクティスに合わせて作り変えたり、

責任や役割に関連付けたりすることで、

社員に仕組みを使わせようとすることが多い。

しかし、社員のベネフィットに目を向け、

少し調整するだけで十分に受け入れられる可能性がある。

マーケティングの本質が、"顧客を理解し、

商品・サービスを顧客に合わせ、おのずと売れるようにすること"

だとすると、組織へ仕組みを浸透させることの本質は、


"社員を理解し仕組みを社員に合わせ、おのずと使われるようにすること"に他ならない