顧客心理戦!
随分、暖かくなりましたねー
今日は顧客心理について書きます。
●消費者でない人間はいない
自給自足を厳密に実行している人でない限り、誰もが消費者。
経営者も常に消費者。
しかし経営者になった瞬間、消費者であるお客の気持ちが判らなくなってしまう。
本当に恐ろしいことですね。
経営者は売る立場になった瞬間、自分の都合を振り回してしまう傾向があります。
「こんなに原価が掛かっている」
「この位は貰わないと合わない」
「賞味期限が切れかけているから早く売ってしまおう」
自分がお客様の立場だったらサービスの原価などいちいち気に留めもしないし、
賞味期限が来るからとお勧めなどと称して売りつけられるのは嫌なはずなのに。
●お客の“当たり前すぎる”心理を知る
改めて確認するほどのことではないが、お客様の心理を上げてみる。
あなたがサービスを買う立場ならきっと「その通り」と感じるはずだ。
□顔を覚えていて欲しい
何度か足を運んでいる店で毎回イチゲンさんと同じ接遇では寂しい。
先日、何ヶ月か振りに足を運んだ中華料理店で中国人店長に
「オヒサシブリです」と言われた。よくぞ覚えていてくれたと妙に嬉しかった。
それから度々食事に出かけている。
□すべては自分の為に
誰もがサービスを受けている時は自分が王様であり女王様だ。
自分の為に専属のサービスマンが付く、自分の席はいつも同じ場所で
確保されている、などコストはかからないが、
なかなかできないサービスを人は求めている。
□特別な、あなただけの話が好き
誰もが「ここだけの話」は大好きである。
常連だからこそ教えてもらえる、
今日はこんなサービスが特別に提供出来る、
と囁かれる“特別な感じ”に人は心を揺さぶられる。
今日来て良かったと確信し、連れてきた人は鼻が高い。
□お客は寂しがりや
お客様は寂しがりやだ。
季節ごとに届くダイレクトメールが来なかったり、
近所のセールのちらしが入っていなかったりするだけでも相当不安になる。
それに誰でも経験することだが、ファミリーレストランや居酒屋で
大して忙しくもなさそうなのに、なかなか注文を取りに来て貰えないと
「忘れられているのでは?」と怒りより先に不安が来るものである。
お客様を寂しがらせてはいけない。
□ささやかでも、得した気分が好き
ラーメン屋で100円引き券をもらうより、トッピング無料券が
貰えたほうが得した気分にならないだろうか。
値引きは、実はそのこと自体はお客様の心にあまり響いていない。
しかし、トッピング無料券だとどうだろう。
もう一度来てその権利を行使した時のイメージを想像すると、
何だかすでに得した気分になる。人は値引かれるより付加価値を
提示された時の方が、より得をした気分になる。
海外の免税店で15%引きの表示より3本買えばもう1本、
の表示が多いのはこの心理をくすぐっているのだ。
●なかなか受けられないサービスは並んででも受けたい
行列の出来る店が意図的に作られる話を聞く。
サービスが良い旅館などでは「なかなか予約が取れない」と言う伝説を作る。
そうすると「1泊2食で幾らですか?」ではなく「いつだったら泊まれますか?」となる。
不思議ですね。
ここには価格競争は存在しない。
「無理して予約が取れ、行ってみたらやはりすばらしかった」と伝説が広がっていくのだ。
難しい予約が取れたら誰でも人に自慢したくなる。
●有終の美を飾れないサービスが多い
美味しい食事、まずまずのサービス。
悪くないなと思って会計を済ませた時。
まるでロボットが発したかのような「ありがとございました」。
声がかかればまだマシで、ドアを開ける背中には誰も気がついてくれていない・・・。
そんな経験はないだろうか。
店のインテリアや味には相当気を遣っていても、全体への配慮が不足している店は有終の美が飾れない。
マニュアルに基づいた気持ちの入っていない言葉ではなく、
「おしるこ、美味しかったですか?」
「ボクもこの商品、愛用してますよ」
「おやすみなさい、寒いですから気をつけて」
これらの言葉はどんな大音響の「ありがとう」より心に残るはずである。
●人は自慢したくなる
人間の心理として特別なサービスを提供できる店を知っているのは
自慢であり、人に話したい、と考えるのは当然だ。
馴染み客として扱ってくれる店へ友人を連れて行き、
「どうだ、すごいだろう」
と自慢したい心理は誰しも共通している。
誰かが旅行に行く相談をしていたとする。
そこへ“自称旅行通”が通りかかって余計な口を出す。
どこへ行くの、決まってないの?
だったらいい温泉紹介してあげるよ。
こないだ行ったら、こんなすごい旅館があって・・・。
●心理戦の勝利で売り上げは必ず伸びる
九州・熊本に黒川温泉という小さな温泉街がある。
10年前まで、黒川温泉は地元の人しか知らない湯治場だった。
それも九州ならどこにでもある「タダの田舎の温泉」である。
大規模旅館もなく、団体も取れない。
しかし黒川温泉の人たちは顧客の心理を読む努力をした。
自分が都会の人間だったら田舎の温泉に何を求めるかを徹底的に追求し、
お客の心理を研究しつづけた。
そして年間100万人を呼び寄せる「全国行ってみたい温泉ランキング」ベスト5に入ったのである。
でも、どうやって?
まず、都会の人は田舎を求めてやってくるだろう。
田舎には何もないということで、該当や看板など全てを取り払って「不便」な街を作った。
そうしておいて、すべての旅館に露天風呂を新設し温泉手形を販売した。
手形一枚で露天風呂3ヶ所に入れるようにした。
しかし日帰りで入浴しに来た客に3ヶ所は無理だ。
「残りの2ヶ所はまた来たとき使いたい」
「次回は友達や家族にこの手形の権利を譲りたい」
自分がお客様ならそう思う。
そして黒川温泉ではこれが全て可能になるようにした。
そんな使い方ができると聞けば、何だか得した気分になる。
そして次回は友達や家族を連れてくる。
実際に、わざわざ福岡や関東からもリピータは増え続けている。
ヒトは温泉に入るためにだけ旅行をしているのではない。
黒川温泉は顧客心理戦に勝ち続けている。