サービスではなく、予想もしない感動を売る!
●予想もしない感動を受けたことはありますか?
あなたが今まで受けたサービスの中で鳥肌が立つほど、
感動したことはありますか。
まずは3つ挙げてみて下さい。
1.
2.
3.
ほとんどの人はまったく思いつかないか、あったとしても海外での
話をあげる場合が多いです。
日本では感動を呼ぶサービスに出会う場面は非常に少ない。
●感動はエンターテイメント
オーストラリアでのちょっとした話しを聞いて下さい。
ある男性が好きな女性にプロポーズをしたいと考えていた。
付き合いも長くそろそろOKがもらえそうだが、しかし確証はない。
男なら誰もが悩むこの状況下で、彼は誰かの力が借りたいと考えた。
そして行きつけの回転寿司屋に相談した。
(行きつけの回転寿司屋に相談するのもどうかと思うけど・・・)
店長は彼の願いと希望を聞いて快諾し、スタッフ全員も喜んである
プロジェクトに参加することになった。いや、プロジェクトを創ることになった。
そしてプロポーズすると決めた日。
彼は彼女を馴染みの回転寿司屋へ誘った。肩の凝らない店なので彼女も
気軽に応じた様子だ。
食事が進み会話も弾んだ。そして頃合いを見計らって店長が彼に目配せをしてから
あるモノを回転寿司のラインに流したのだった。
それはなんと!
「婚約指輪」
彼女にプロポーズ。女性はとても驚いていたが、答えは・・・
当然「OK!」
店内は大歓声となりお客は拍手喝さい。
そして、二人を祝福する為にスタッフが趣向を凝らしたお皿が後から
どんどん流れてきた。
「おめでとう!」「お幸せに!」
お皿にお祝いの言葉が満載されたカードが乗っている。
それが後から後から流れてくるのだ。どんな女性も感動しないはずがない。
生涯の想い出に残る憎い演出ではないか。
これが周囲のお客にもスタッフにも幸せな気分のおすそ分けが出来た感動サービス事例。
あなたはこの話を聞いて幸せな気分になりましたか。
それとも不愉快な気分になりましたか?
これがリッツカールトンでの出来事ではなく、回転寿司というのがここでは大切な要素だと思います。
ちなみにこのサービスを提供する為に何か余計なコストがかかっているだろうか、
併せてて考えてみて下さい。
男性は自分の目の前に流れてきた“指輪の乗ったお皿”を手に取り
●感動でワクワクさせる
この現場にいたお客はどう感じるだろう。
アナタがこの場に居合わせたとしたらどんな気持ちになるだろう。
きっと自宅に帰って家族にこの出来事を話し、翌日は学校や会社で自分が感じた
ワクワク感を人に伝えたくならないだろうか。
回転寿司は口に入って空腹が満たされれば良いと考える人もいるが少数。
空腹を満たすのは単なる食物。ワクワクするのが外食。
単に空腹を満たすだけの為に、ガイドブックやテレビのグルメ番組があそこまで人気を呼ぶだろうか。
予想もしない感動が回転寿司屋で提供できるのだから100円ショップにも出来ることは
あるに違いない。
●エンターテイメントはしくみにできる
感動するサービスの話をすると「うちは出来ない、スタッフが面倒くさがるに決まっている」とか
「お客の協力が得られるはずがない」と最初から諦めているケースがとても多いと思う。
東京ディズニーランドにしても、リッツカールトンにしても、感動するサービスをしくみに
しているのがミソ。個人の力量に依存しているのではない。
自分達が提供しているサービス空間で提供する感動をきちんとしくみにしている。
つまり、経営者がしっかりとしくみを作り、感動するサービスのしくみ立てが
できるのであれば、昨日採用したアルバイトの学生にでも感動するサービスは
提供できる。
ディズニーランドのスタッフはもって生まれた天性の才能で仕事をしている訳ではない。
●日本人は決してしらけていない
こういう反論(と言うか言い訳)もよくする人がいます。
「それは海外(外資)だから出来る話」
「日本人はシャイだし白けているから手を叩いたり喜んだりしない、
無視するか迷惑がるだけだ」
確かに最近レストランやホテルで誕生日を祝うケーキが運ばれ、
スタッフが歌や拍手をしても、周囲は今ひとつ盛り上がっていない。
こんな場面を目にしたことのある人は少なくないと思う。
その原因は「スタッフの感動不足」にある。「誕生日の人にはケーキと歌のプレゼント」をするというしくみを作っても、
余分なオーダーがひとつ入った程度の流れ作業になっている。
スタッフに「まずはお前達が思いっきり楽しめ!自分の家族や友人を祝うように楽しんでこい」と伝えることなしに本当
に感動するサービスができるはずがない。
また、この手のサービスがうまく行かない原因は経営者の感動不足からも来ている。
スタッフやお客が白けていると考える前に、経営者本人は日常生活に白けていないだろうか。
私は出来るだけ感動する場所には直接足を運び体験するようにしている。
白けていないといえば、代表格はディズニーランド。
空間全体がシステム化された感動サービスに包まれており、何よりサービスを提供するス
タッフ(ディズニーではスタッフのことをキャストという)が楽しそう。
日頃は仕事に疲れたお父さんもここでは手拍子、足拍子。
要はしかけの問題。
●ビジネスに感動ストーリーを作り、伝説にする
感動サービスを売るのが上手な企業に言えることは
“それを伝説にして伝えるのが巧い”。
例えば、リッツカールトンで感動的なサービスが提供されたとしよう。
それをリッツカールトンやホームページや自社のさまざまな媒体で紹介し
、できるだけお客の目に触れさせる工夫をしている。
その媒体を見たお客は「自分もそんな感動サービスを受けてみたい」と思うし、
その伝説を積極的にさまざまな場面で話すであろう。
リッツカールトンの伝説はいつの間にか語り継がれるのである(しかけがあるから)
。もちろんその伝説に恥じないサービスを提供している裏づけがあってこそ生きる手法だ。
お客から感謝の声が届いたら社内の掲示板に張るだけでなく、
積極的にホームページや無料誌、店頭などパブリシティで紹介することはとても大切だ。
●言い訳しないで、まずはやってみる
これだけ“非日常的な感動サービス”を提供することの効果を述べても腰を上げない。
できない理由を並べ立てるだけだ。
だからこそ少数の“それを実行した”経営者が勝ち組になる。
(だから私も経営者になった理由の一つ)
麻薬が好きなら今後もその特効薬を使い続ければいい。
何を選択するのかは結局のところ経営者が決める。
しかし、ちょっとした工夫をすることで「回転寿司を食べていたら婚約指輪が流れてきて、
カップルが幸せになった」ような感動体験をサービスに加えたい事業者に、
お手伝いできることは山ほどあるはず。