「短音記号」と「長音記号」について簡単に書いておきます。
英語の母音字は基本的には a, e, i, o, u の5つであり、ストレスアクセントがある場合には、それぞれに「短音」と「長音」という二種類の読み方があります。その読み方の違いを示すのが「短音記号」と「長音記号」です。
発音記号や発音綴り字で読み方を表記すると、どうしても母音字の「短音」と「長音」の表裏一体の関係が見えにくくなります。
たとえば、e の文字の読み方を/ε/や/i:/で表記すると実際の綴り字との関連性が見えなくなる。penalty の e は/ε/、penal の e は/i:/ というように、まったく似ても似つかない記号を使うことになります。
ところが、pĕnalty, pēnal と書けば、文字が同じで読み方だけが違うのだと視覚的にわかります。nătural と nāture のような場合でもそうです。
lĭve と līve のような短い単語にも役に立つのですが、長い単語(たとえば Mauritānia)でこそ便利に使うことができます。
単語帳をつくるにしても、発音記号を書き写す手間が省けます。(ただし、come, cover, many, money などのような例外には対処できません。)
とにかく、発音記号(IPA)があるのだから他の表記法は意味がないのではないか、などと思わないことです。それぞれに長所があるのですから。
え? 「短音記号」と「長音記号」のついた母音字の読み方? それは母音字の「短音」と「長音」さえわかればだいじょうぶです。
ă /æ/ (hat) | ā /eɪ/ (hate) |
ĕ /ɛ/ (pet) | ē /iː/ (Pete) |
ĭ /ɪ/ (bit) | ī /aɪ/ (bite) |
ŏ /ɑ/ (hop) | ō /oʊ/ (hope) |
ŭ /ʌ/ (cut) | ū /juː/ (cute) |
o͝o /ʊ/ (book) | o͞o /uː/ (boot) |