挽歌・・・ | クラシック & モダニズム

挽歌・・・

夕暮れが近づいて物悲しくなっていく
独り歩くこの道がとても寂しく感じる
広い道の人混みも細長い裏路地も同じ
ひしひしと心に沁み込んでくるものは
不条理と儚さ故の虚無感が唸っている


夕暮れが近づいて安堵から緩む気持ち
一日の疲れを癒すようなゆとりがある
ゆっくり歩き開放感に身を解している
充実しているのか諦めているのかなど
どうでもよくて束縛からの解放を喜ぶ


夕暮れが近づいてじわじわ押し寄せる
まな板の音と仕事を終えた父親の帰宅
自転車のベルを鳴らし帰ったと知らせ
一斉にお帰りと玄関で出迎える子供達
夕暮れはやがて訪れる挽歌の波のよう


夕暮れが夕闇に変る頃一日が終ったと
ようやく気付き夜の時間を考えている
何を食べようか何をしようかと無意識
なまま理由もなく家路を足早に歩いて
その日の思いと郷愁に背中を押されつ
暗くなる前に帰ろうよと促されている


夕暮れが近づいて物悲しくなっていく
独り歩くこの道がとても寂しく感じる
広い道の人混みも細長い裏路地も同じ
ひしひしと心に沁み込んでくるものは
不条理と儚さ故の虚無感が唸っている



NJ