最後の常紋訪問は75年の3月。北の峠道の雪も消えはじめ、春の息吹がわずかづつ感じられる頃だった。
すでに無煙化の最終カウントダウンにはいっており、この列車の後補機もDD51。
それでもずっしりと響く、スローではあるがリズミカルなドラフト音に酔いしれながら、万感の想いでシャッターを押したことを覚えている。
(追)
最近のWEB等での記載内容・写真を見てみると、常紋もすっかり変わってしまったようだ。
信号場と本線をクロスしていたポイントの上部はいつのまにかシェルターにおおわれていたが、今後は完全な通過線となるためにシェルターも撤去されるという。
旧信号場場内、下りの退避線もすっかり草に覆われ、そのレールもやがて撤去されるだろう。
開通来、百余年の時を経て、聖地は静かに自然に帰ってゆこうとしている。

