「先生、やる気が出ません」


と言ってくれる子は


まだまだやる気ある方だと思います。


「頑張らないと」って思って、そう言うのでしょう。


さて、その答えとして、私は


「やる気なんてなくていーじゃん」と答えてしまいます。


生徒は随分と残念がって、


そーじゃなくて!応援して下さいよ!


と。


「あーそっか、じゃあ頑張れ!やる気はやらないと出ないぞ!」なんて言うと、


「うん!頑張る!」と。


やっぱやる気あるだろ、やる気なきゃこんな会話してこないだろ、と思いながらニヤついておりますが、そもそも私が「やる気なんてなくていい」と言うのには理由があります。


これは私個人の話なんですが、


だいたい自分の人生の3分の2はやる気がありません。


結構私は周りから見ると割とポジティブだったり活動的だったりと思われがちで、自分でもそうだと思いますが、それでも3分の2はやる気ないです。もしかするともっとかも、と思いますが、仮にも塾講師。日頃頑張っている人間に向かって頑張れと言う仕事に就いてるんだから、3分の1くらいはやる気出そうよ、と思っています。


やる気ない期間は、1週間のうち4,5日。1ヶ月のうち20日。


どうでしょうか。皆さんは違いますか?

程度の違いはあるでしょうけど、常にやる気MAXな人はいないのではないでしょうか。


そして、それで良いと思います。

胃袋が分かりやすいと思うんですが、

たくさん食べたり飲んだりすれば、すぐにお腹いっぱいになります。そしてしばらく、まったく食べる気がしません。

別にそれでも困らないですよね。


もちろん勉強は食事とは違います。一定量、一定の時間をこなさなくてはなりません。でも、それをこなすのにやる気って本当に必要ですか?


大切なのはやる気ではなく、それをやる「必要性」ではないでしょうか。「自分はこれを、いついつまでにやらなければいけない」とか、「絶対にここに受かりたい。だからできるだけ勉強をする」とか。


やる気ないときは悪魔がささやきます。「やらなくていーよ」「ゲームしよーぜ」「スマホみよーぜ」。


でも、勉強する必要があると本当に理解しているなら、とにかく机から離れず、問題集とノートを広げ、やるしかないでしょう。


その時に必要なのはやる気じゃない。これをやらなければいけないと思える「必要性」であり、それを必ずやり遂げる「覚悟」です。

できなかったときは、それはやる気がないからじゃない。「必要性」の自覚が足りないか、それをする「覚悟」が足りなかったんです。


私の場合、自分の3分の2はやる気ないと分かっているので、やる気のあるときに自分自身にこの「必要性」と「覚悟」を叩き込みます。高校生の頃はそこに「計画」も加えました。やる気があるときに計画を練るのです。それを遂行し、頑張るのはたいてい「やる気のない」自分です。やる気のない自分を受け入れることにしています。だって、3分の2はやる気ないんだから。その時にやらなきゃほとんどやらないってことになってしまう。だから、やる気のないときこそやる、みたいな。


やる気ないってことは悪いことでもなんでもないんです。身体や精神のリズムですから。交感神経と副交感神経はバランスを保とうとするし、それが自然なんです。やる気より大切なのは、「必要性」と「覚悟」。自分がどうして今勉強するか。やる気あるときに自分の言葉で書き出してみましょう。それを筆箱に入れたり机に置いたりして、いつでも見えるようにしておきましょう。葛藤が生じるでしょう。でもその葛藤は、あなたの精神力を強くします。


ヤマザキ