今からもう7年も前の話。

定期テストの勉強会をしてると、大きなからだのおじさんが、にかっと笑って大きな箱を抱えて、たくさんの焼きそばを持ってきてくれた。

中1の、りきやくんのおじいさん。色んな集まりで腕をふるっていたようで、生徒はみんな、「りきやのおじいちゃんの焼きそば、美味しいんだよ!」って、喜んで食べていた。

勉強会のたびに、おじいさん、にかっと笑って焼きそばを持ってきてくれた。ぼくもいただいた。めちゃくちゃ美味しかった。

りきやくんが中3になったくらいかな、おじいさん、パタリと来なくなった。「具合悪いみたいだよ。」生徒のひとりが、そっと教えてくれた。

2年くらい経って、おじいさんは亡くなった。お葬式に行った。りきやと会うのは久しぶりだったけど、おじいさんくらい大きくなって、すごくたくましくなっていた。

それから思うところがあって、勉強会のたびに焼きそばを振る舞うことにした。たいしてうまくない。それにこれだけの人数分作るの、結構しんどい。でも、作り続けたら、だんだん上手になるんじゃないかな。

最近いなしがほめてくれた。ザキヤマ、焼きそば作るのうまいなって。それなりにうまくなってきたのかな。でも全然、まだまだだ。焼きそばに限ったことではないけれど、カタチなんかはいくらでも作れるんだよ。作ったひとつのカタチに魂を込めて、努力を続けて、ナカミを作っていくのが大切。ナカミが出来始めればそれは己の財産となり、ナカミが完成したらそれはみんなの財産になる。食うだけで成績が伸びる、いつかそんな焼きそばを作りたい!名付けて「ノビル焼きそば」!麺だけに!

最後のほう盛り上がりすぎましたが、そろそろノビシアの勉強会でも焼きそばやろうと思います。お楽しみに!

山崎