アメリカ政治の断想(9)-米国民の多くはトランプが犯罪を行ったと考えている
 
クイニピアック大学が定期的に行っている世論調査を35日に発表しました。[i] 質問は37項目にわたるものでしたが、その中から特に興味深いものを選んでご案内します。
 
1.トランプ大統領の大統領としての支持率については、その仕事ぶりを支持すると回答した人は、全回答者のうちの38%、不支持であると回答した人は55%でした。この支持率は、昨年7月以降最低の支持率となっています。この全回答者による支持・不支持率の最近のトレンドは以下のとおりです。共和党員と共和党支持者のトランプ大統領に対する支持率は82%、不支持率は12%であり、民主党員と民主党支持者による支持率は6%、不支持率は93%であり、無所属・無党派層の支持率は34%、不支持率は57%でした。
 
2.連邦議会共和党議員に対する支持率は、全回答者のうち27%が支持を表明し、66%が不支持を表明しています。共和党員と共和党支持者は59%が支持、34%が不支持であり、民主党員と民主党支持者の5%だけが支持し、91%が不支持であり、無所属・無党派層の支持率は24%であり、不支持は66%となっています。
 
3.連邦議会民主党議員に対する支持率は、全回答者のうち38%が支持を表明し、56%が不支持を表明しています。共和党員と共和党支持者は8%が支持、88%が不支持であり、民主党員と民主党支持者は74%が支持し、22%が不支持であり、無所属・無党派層の支持率は33%であり、不支持は59%となっています。
 
4.ドナルド・トランプは正直だと思うか、思わないかという問いに関しては、全回答者のうち34%が正直だと思うと回答し、65%が正直ではないと回答しています。共和党員と共和党支持者によるトランプが正直であると思うという回答率は66%、正直とは思わないという回答率は28%であり、民主党員と民主党支持者によるトランプが正直であると思うという回答率は3%、正直とは思わないという回答率は95%、無所属・無党派層によるトランプが正直であると思うという回答率は26%、正直とは思わないという回答率は69%でした。
 
5.トランプ大統領の経済政策に対する支持率は、全回答者による回答は、支持が49%、不支持が45%であり、全体的にどちらかというと支持のほうが高くなっています。共和党員と共和党支持者による回答では、支持が89%、不支持が9%、民主党員と民主党支持者による回答では、支持が14%、不支持が80%、無所属・無党派層による回答では、支持が48%、不支持が43%となっています。
 
 
7トランプ大統領の移民政策に対する支持率は、全回答者による回答は、支持が40%、不支持が58%でした。共和党員と共和党支持者による回答では、支持が83%、不支持が17%、民主党員と民主党支持者による回答では、支持が7%、不支持が93%、無所属・無党派層による回答では、支持が37%、不支持が63%となっています。
 
8.トランプ大統領の北朝鮮政策に対する支持率は、全回答者による回答は、支持が44%、不支持が45%でした。共和党員と共和党支持者による回答では、支持が78%、不支持が12%、民主党員と民主党支持者による回答では、支持が14%、不支持が77%、無所属・無党派層による回答では、支持が43%、不支持が44%となっています。
 
9.トランプ大統領は子供たちにとっての模範的な人物であると思うかという質問に対しては、全回答者のうち22%が「模範的である」と回答し、71%が「模範的ではない」と回答しました。なお、「模範的である」との回答は、20181(29)以降最低となっています。共和党員と共和党支持者による回答では、「模範的である」54%、「模範的ではない」が37%、民主党員と民主党支持者による回答では、「模範的である」が3%、「模範的ではない」が97%、無所属・無党派層による回答では、「模範的である」が17%、「模範的ではない」が75%となっています。
 
10トランプ大統領は歴代大統領の多くと比べて「より正直である」と思うか、「より不正直である」と思うか、あるいは「おおむね同じ程度の正直さである」と思うかという質問に対しては、全回答者のうち20%が「より正直である」50%が「より不正直である」、28%が「おおむね同じ程度の正直さである」と回答しました。なお、「より正直である」との回答は、2017年3月(22)以降最低となっています。共和党員と共和党支持者による回答では、「より正直である」が43%、「より不正直である」が14%、「おおむね同じ程度の正直さである」が43%、民主党員と民主党支持者による回答では、「より正直である」が3%、「より不正直である」が85%、「おおむね同じ程度の正直さである」が13%、無所属・無党派層による回答では、「より正直である」が18%、「より不正直である」が50%、「おおむね同じ程度の正直さである」が30%となっています。
 
11. 連邦議会はトランプ大統領を解任する可能性のある弾劾手続きを開始すべきであると思うかという質問に対しては、全回答者のうち35%が「開始すべきである」と回答し、59%が「そう思わない」と回答しています。共和党員と共和党支持者による回答では、「開始すべきである」が6%、「そう思わない」が92%、民主党員と民主党支持者による回答では、「開始すべきである」が66%、「そう思わない」が27%、無所属・無党派層による回答では、「開始すべきである」が33%、「そう思わない」が60%となっています。ただし、連邦議会は、「マイケル・コーエン」が議会証言で主張したトランプ大統領の非倫理的で違法な行動をさらに調査すべきかという質問に対しては、53%が「そうすべきである」、35%が「そうは思わない」と回答しています。
 
12トランプ大統領は大統領就任前に何らかの犯罪を行っていたと思うかという質問に対しては、全回答者のうち64%が「そう思う」、24%が「そう思わない」と回答し、13%が無回答となっています。共和党員と共和党支持者による回答では、「そう思う」が33%、「そう思わない」が48%、民主党員と民主党支持者による回答では、「そう思う」89%、「そう思わない」が5%、無所属・無党派層による回答では、「そう思う」が65%、「そう思わない」が23%となっています。
 
13トランプ大統領は大統領在職中に何らかの犯罪を行っていたと思うかという質問に対しては、全回答者のうち45%が「そう思う」、43%が「そう思わない」と回答し、12%が無回答となっています。共和党員と共和党支持者による回答では、「そう思う」が12%、「そう思わない」が79%、民主党員と民主党支持者による回答では、「そう思う」が75%、「そう思わない」が15%、無所属・無党派層による回答では、「そう思う」が46%、「そう思わない」が36%となっています。
 
トランプ氏が大統領就任前も就任後も犯罪を行っていたと考える米国民のほうがそうは思わない米国民よりも多いという結果が、改めてこの調査で浮き彫りになっています。本稿執筆時点でも、マッサージパーラーの元経営者中国系女性が2017年末に開催されたトランプ大統領の有料の政治資金集めイベントに中国人実業家のグループの参加を手配した、とする報道が流れました。外国人による政治資金を禁止している法律違反につながる可能性のある問題で、今後も政治問題化することと思われます。[ii]また民主党が昨年の中間選挙で下院の過半数を制したことで、下院各委員会(司法委員会、情報委員会、監視・改革委員会、外交委員会)によるトランプ大統領に対する各種疑惑の追及も今後一層本格化してくるでしょう。