優也「芸能人かぁ。いやぁ、誰って言われてもなぁ」
映見「どんな風に知り合った?」
優也「職場で。むこうが異動してきて、それで」
映見「へぇ」
優也「平凡だよ」
美結「(花束と花瓶を持って映見に)活けて来るね」
映見「うん」
美結「(うなずいて出ていく)」
映見「どのくらいつき合って結婚?」
優也「1年くらいかな」
映見「早い」
優也「いや、1年つき合って結婚決めて、それから式の準備にまた半年とか」
映見「そう。やさしい人?」
優也「ああ、結婚前は」
映見「今は?」
優也「息子には厳しい」
映見「そりゃね、子育てしてると」
優也「言うこと聞かなくて、しょっちゅう怒ってる」
映見「元は物静かなタイプ?」
優也「いや、そうでもないけど。なんで?」
映見「水谷君の好みそうだったでしょ」
優也「昔?」
映見「あの頃で言うと綾香とか」
優也「あぁ、芹沢ちゃん」
映見「狙ってたでしょ」
優也「まさか。あの子はだっていたじゃない、つき合ってる彼。なんだっけ名前」
映見「岡本君」
優也「そう岡本」
映見「でも彼のこと嫌ってたでしょ?」
優也「俺?」
映見「『どこがいいんだか』って」
優也「そんなこと言った?」
映見「望美が言ってたよ。そう聞いたって」
優也「へぇ」
映見「憶えてない?」
優也「全然」
映見「ふたりがつき合いはじめのころ言ってたって」